BTSが問う韓国兵役 「経済効果」と「重い国民義務」のはざまで

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国連総会のイベントに参加したBTSのメンバーたち=米ニューヨークの国連本部で2021年9月20日(代表撮影)
国連総会のイベントに参加したBTSのメンバーたち=米ニューヨークの国連本部で2021年9月20日(代表撮影)

 メンバーがソロ活動を本格化させる意向を6月14日に表明した韓国の男性7人組人気グループ、BTS(防弾少年団)。世界的な人気を誇るメンバーのうち、最年長のジンさん(29)は今年末、18歳以上の男性国民の義務である兵役の入隊期限を迎える。兵役を事実上免除としたり、入隊期限を遅らせたりする「特例」を設けるべきか。韓国で議論が再燃している。【ソウル坂口裕彦】

兵役法改正案、審議進まず

 「BTSの活動停滞が韓国経済に与える影響は、K―POP市場の範囲を超えている。法改正を避けるのではなく、より大きな国益を選択すべきだ」

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権を支える与党「国民の力」の尹相現(ユン・サンヒョン)国会議員は6月20日、フェイスブックにこう投稿した。尹相現氏らは昨年6月、BTSを念頭に、国家への貢献が大きい芸能人を「芸術・スポーツ要員」とみなすことで、兵役の代替服務を認める兵役法改正案を提出している。

 尹相現氏が指摘するように、BTSの経済的な影響力は大きい。政府系のシンクタンク「韓国文化観光研究院」は4月、BTSが新型コロナウイルスによる行動規制を受けることなく、韓国国内でコンサートを開催した場合、公演1回あたりの経済波及効果は最大1兆2207億ウォン(約1281億円)に達するとの試算を公表した。約6万5000人を収容できる会場のチケットやグッズの売上高、海外からの観客の滞在費や交通費などから算出したという。

 同院の朴賛旭(パク・チャンユク)文化産業研究センター長は「世界的なスターだからこそ、公演など直接的なものにとどまらない経済効果も大きい。ファッションなどの文化、外交などへの貢献も評価できる」と指摘する。

 一方で、韓国は、核・ミサイルの開発を加速させる北朝鮮とは法律的には「休戦状態」のままだ。このため、18歳以上の男性国民が18~21カ月の兵役に従事することが義務づけられている。20代の息子2人が兵役を終えたという会社員男性(59)は…

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