日韓首脳会談開かれず、米は関係改善促す考え 三者三様の思惑

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NATO首脳会議の出席者が参加した夕食会=スペイン・マドリードで28日、スペイン王室提供・ロイター共同
NATO首脳会議の出席者が参加した夕食会=スペイン・マドリードで28日、スペイン王室提供・ロイター共同

 岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は29日、バイデン米大統領を交えた日米韓3カ国首脳会談に臨んだが、正式な日韓首脳会談は開かれなかった。日米韓の思惑は三者三様で、北朝鮮の核・ミサイル問題への対応に向け、結束する姿はなお見えない。

 この日は日米韓3カ国首脳会談に先立ち、日韓にオーストラリアとニュージーランドを加えた4カ国首脳会談も開催された。岸田首相としては、第三者を交えた会談は可能でも、正式な2国間会談に応じるのは難しい状況が続いている。

岸田首相、参院選前に慎重姿勢崩さず

 「非常に厳しい日韓関係を健全な関係に戻すために尽力いただきたい」。岸田首相は28日夜、スペイン国王主催の夕食会で初対面した尹氏にこう伝えた。

 「健全な関係」に戻すカギは、日韓間の懸案となっている徴用工問題などの解決だ。懸案解決の「ボール」は韓国側にあるというのが日本側の立場。官邸幹部は「韓国側から『ボール』が返ってきて、それで『前進した』とならなければ首脳会談はできない。これが首相の認識だ」と強調する。

 日本側は5月の尹政権発足を受け、韓国側の出方をうかがってきた。外務省の森健良事務次官は6月に訪韓し、韓国側と意見交換。だが、徴用工問題などの解決に向けた具体的な提案はなかった。日本側は外相会談でも「時期尚早」との認識だ。

 とりわけ今は、岸田首相の今後の政権運営を左右する参院選(7月10日投開票)の選挙期間中。日本側にとっては普段以上に神経質にならざるを得ないタイミングだ。懸案解決の見通しなく首脳会談を開けば、保守層などの批判を招き、参院選にマイナスとなりかねないとの懸念が根強い。政府関係者は「投票日前に有権者にどう見られるかだ」と語り、韓国側が一方的に「成果」をアピールすることを警戒する。

 ただし、…

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