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描いたのは「アートのスポ根」 漫画ブルーピリオド、作者の思い

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カエルのマスクをかぶった、マンガ「ブルーピリオド」作者の山口つばささん=東京都品川区で2022年6月15日、西夏生撮影
カエルのマスクをかぶった、マンガ「ブルーピリオド」作者の山口つばささん=東京都品川区で2022年6月15日、西夏生撮影

 約束した場所にすたすたと現れたのはカエルのマスクをかぶった小柄な女性だった。相手は、電子書籍を含む単行本の累計発行部数が550万部を超える人気マンガ「ブルーピリオド」の作者、山口つばささんだ。美術予備校が舞台の本作で「アートのスポ根的な部分を描きたかった」と語る山口さんに本作に込めた思いを聞いた。【平林由梨】

美術との距離縮めたくて

 連載は2017年8月に始まり、美大受験に挑む男子高校生が主人公だ。書店員らマンガファンの投票で決まる20年の「マンガ大賞2020」で1位に輝いて一層人気が高まり、アニメ化、舞台化も実現した。東京芸大を卒業した山口さんが描く美大受験のディテールは、学園青春ドラマとも重なって、美術に縁がない人も、美術教育や美術界の中の人も楽しませている。

 主人公の矢口八虎は高校2年生。成績は優秀で、世渡り上手。友人らと充実した日々を送るが、どこか手応えを感じられずにいる。そんな八虎が1枚の絵をきっかけに美大の最高峰、東京芸大の受験を決意する。「よく、絵がうまい人って天才だよね、とか才能だよね、って言われますけど、そうじゃない切り口で描きたかった。他は何もできないけど絵だけはうまい浮世離れした人が主人公だとアーティストや美術が、より遠く感じませんか? 読者には八虎と一緒に美術との距離を縮めていってほしいと思って描いているんです」

「売れる漫画」を研究

 カメラマンが撮影を終え、機材を片付け始めると山口さんはようやくカエルのマスクを外した。…

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