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「我々はウクライナと共にある。財政、人道、軍事、外交の面で支援を続ける」
ロシアの侵攻が4カ月に及ぶ中、ドイツで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、ウクライナ支持を確認し、閉幕した。
戦闘の長期化に伴い、G7内では停戦に向けた出口戦略などを巡り、温度差が表面化していた。結束を打ち出したことで、ロシアへの圧力になることを期待したい。
米英は武器供与を加速し、制裁強化を主張している。一方、エネルギー分野などでロシアとつながりが深い独仏伊は、和平の機会を探る動きを強めていた。
ドラギ伊首相は国連に和平案を示し、マクロン仏大統領は「ロシアに屈辱を与えるべきでない」と述べた。ショルツ独首相は制裁強化に及び腰の姿勢を示してきた。
ロシアに妥協的だと批判された3首脳は、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪れ、ゼレンスキー大統領に支援継続を約束した。その後、ウクライナは欧州連合(EU)加盟候補国になった。
侵攻当初、欧州は激震に見舞われた。核兵器の使用や戦争拡大のリスクが高まったためだ。しかし、侵攻はウクライナの東部や南部にほぼ限定されつつある。
世界各地でエネルギーや食料の価格が高騰し、仏総選挙では与党が過半数割れに追い込まれた。
対露制裁は思うような効果を上げられていない。原油価格高騰の結果、欧州が輸入を減らしても、他国との取引でロシアは大きな打撃を免れている。こうした状況が「支援疲れ」を招いている。
シンクタンク「欧州外交評議会」の欧州市民への世論調査では、ロシアに譲歩して停戦を急ぐべきだとの「平和派」は35%で、ウクライナの勝利まで戦うべきだとする「正義派」の22%を上回った。
「戦争に疲れてほしくない。我々は(西側の)人々が大切にする価値を守るために戦っている」。ゼレンスキー氏は、自由や民主主義といった価値観を守るための戦いであることを強調している。
政治体制を問わず各国は、ルールに基づく国際秩序を守る必要がある。侵攻を「力による現状変更」のあしき前例としないためにも、国際社会はウクライナ支援を継続しなければならない。