右手に白杖、左手にベビーカー 「命がけ」のお迎えに同行した

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
何台もの車が脇を走り抜ける中、白杖で前方を確かめながらベビーカーを押す視覚障害者の女性=福岡県で2022年6月17日、足立旬子撮影(画像の一部を加工しています)
何台もの車が脇を走り抜ける中、白杖で前方を確かめながらベビーカーを押す視覚障害者の女性=福岡県で2022年6月17日、足立旬子撮影(画像の一部を加工しています)

 毎夕、帰宅を急ぐ車が行き交う街中の歩道で、白杖(はくじょう)を手にしながら、2歳の娘を乗せたベビーカーを押す女性(45)がいる。視覚障害を抱えながらも、一人で娘を保育園に迎えに行っているのだという。「命がけのように感じる時もある」。そう話す女性に同行した。

「ブーブーが来たよ」

 女性は網膜に異常がある先天性の難病で、子どものころから弱視だった。30歳を過ぎたころ、急激に視力が低下。視野も狭まり、今は「つまようじほどの細長い筒をのぞいているような狭い視野しかない」。

 夫(41)も全盲で、障害者施設で働いている。娘の保育園の送迎は女性の担当だ。送っていく時は、支援者や福祉サービスの車を利用するが、迎えはサービスをする事業者が少ないこともあり、女性だけになる。

この記事は有料記事です。

残り1664文字(全文1995文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月

ニュース特集