「次元の違う」除染と住民の不安 福島・復興拠点で避難指示解除
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東京電力福島第1原発事故に伴う福島県の帰還困難区域のうち、政府が優先的に除染を進めてきた特定復興再生拠点区域(復興拠点)で避難指示の解除が始まった。最初の葛尾(かつらお)村が6月12日から、2例目の大熊町は30日からで、全町民の避難が唯一続く双葉町でも近く解除される見通し。ただ、将来にわたり避難指示が続くとされた帰還困難区域に人が住めるようにする取り組みには、課題も少なくない。
22年度末までで2911億円 かさむ除染費
「町の復興に向けた大きな節目だ。ようやくスタートラインに立った」。大熊町のJR大野駅前で30日午前9時、避難指示の解除に合わせて始まったパトロールの出動式で、吉田淳町長はこう述べた。周辺は再開発のまっただ中。行き交うのは、除染や建物の解体に取り組む業者がほとんどだ。
帰還困難区域は、政府が2011年12月時点で、年間の放射線被ばく線量が50ミリシーベルト(毎時9・5マイクロシーベルト相当)を超え、5年たっても20ミリシーベルトを下回らないと見込まれた地域を指す。県内7市町村(南相馬市、飯舘村、葛尾村、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町)の約3万3700ヘクタール。13年8月までに設けられ、当初は定住できないとされていた。
だが、政府は16年8月、年月を経て空間放射線量が下がり、地元の要望も根強くあるとの理由で、除染の済んだ一部地域で避難指示を解除する方針を決めた。…
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