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ウクライナ侵攻

ロシア軍がウクライナに侵攻。米欧や日本は対露制裁を決めるなど対立が先鋭化しています。

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揺れるサハリン2 電力危機に追い打ち? 値上げに波及する恐れ

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ロシアのプーチン大統領=2022年6月24日、ロイター
ロシアのプーチン大統領=2022年6月24日、ロイター

 電力需給の逼迫(ひっぱく)に見舞われている日本が、ロシアの新たな戦略に揺さぶられている。ロシアのプーチン大統領は6月30日、石油・天然ガス開発事業「サハリン2」で日本企業が持つ権益の「接収」に道を開く大統領令に署名した。サハリン2からの液化天然ガス(LNG)輸入が滞れば日本の電力供給に打撃となりかねず、政府やエネルギー業界は警戒を強めている。

大統領令と日本側の反応

 「一般論として、我が国の資源にかかる権益が損なわれるようなことはあってはならない」。木原誠二官房副長官は1日午前の記者会見で、サハリン2の日本企業の権益の扱いやLNG調達への影響を精査する考えを示した。

 ロシアのウクライナ侵攻後、日本は主要7カ国(G7)諸国と足並みをそろえ、対ロシア制裁としてロシア産の石炭や石油の段階的禁輸を進めることで一致した。一方、日本政府はLNGを生産するサハリン2を「エネルギー安全保障上、極めて重要なプロジェクト」と位置づけ、三井物産が12・5%、三菱商事が10%を出資する権益を維持する方針を堅持してきた。

 日本はLNG輸入全体の8・8%をロシアに依存し、その大半をサハリン2が占めており、電力・ガスの安定供給を考えると早期の撤退は難しいという事情が背景にある。約27・5%を出資する英石油大手シェルが2月末に撤退を表明し、インド企業との売却交渉が報じられているのとは対照的な動きだった。

 今回の大統領令では、サハリン2の全資産をロシアの設立する新会社に譲渡。ロシア側の提示した条件に同意する外国企業は1カ月以内に申告すれば、現在と同じ出資比率を維持できるとされる。

ロシアの狙いは

 ロシア側の狙いは何か。今回の大統領令は、岸田文雄首…

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【ウクライナ侵攻】

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