「連載いくつかやめます」林真理子氏、日大をどう変えるか 一問一答

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日本大学の理事長に就任し、記者会見する林真理子氏=東京都千代田区で2022年7月1日午後5時4分、長谷川直亮撮影
日本大学の理事長に就任し、記者会見する林真理子氏=東京都千代田区で2022年7月1日午後5時4分、長谷川直亮撮影

 日大の新理事長に就任した大学OGの作家、林真理子さんが1日、酒井健夫新学長とともに記者会見を開いた。林氏は自身が描く大学改革の青写真のほか、同大が所有する国内有数のコンサートホール「カザルスホール」(東京・神田駿河台。2010年閉鎖)の復活を目指す考えを明らかにした。主なやりとりは次の通り。

 ◆林理事長 日本大学理事長に就任した林真理子です。たび重なる不祥事で信頼を失い、学生、保護者、卒業生の方々に深くおわび申し上げます。私も卒業生の一人として心を痛め、やむにやまれぬ思いでこの役目を引き受けた。本日、第1回の理事会が開かれ、これまでの理事は解任され、新理事は理事長、学長、選考委員会から7人、校友が2人、各方面から推薦された有識者7人、そして私から推薦が2人など、計22人が選ばれた。女性が一人もいなかった理事会ですが、今日理事会に出席したところ、22人のうち9人が女性で、明らかに新しい風が吹いている。議論も活発になり、素晴らしい理事会になることを確信しました。

 新理事長として三つの案を発表します。一つめは大きな調査委員会を設置。改めて徹底して(脱税事件などの不祥事で辞任した田中英寿元理事長時代の不祥事がないか)洗い出す。これは元高検検事長クラスに打診中で、弁護士、公認会計士にチームを組んでもらう。二つめは新しい日本大学キャンペーン、略してN・N(ニュー日大)。正式なものではないが、元コピーライターなので何かしたいと思って名付けた。各界の素晴らしい方々が集まり、新風を巻き起こしたい。三つめはオール日大のサポート要請。100万人を超える校友会の心をひとつにして、N・N、新しい日大に力を貸してもらうことを考えている。そのひとつとしてカザルスホール(スペイン人で、20世紀のチェロの巨匠、パブロ・カザルスにちなむコンサートホールで1987年完成。03年に日大が取得したが、10年に閉鎖された)の復活を考えています。よろしくお願いいたします。

 ――林さんが理事2人を推薦した。推薦理由は?

 ◆林理事長 一人は精神科医の和田秀樹さん。20年来の友人で、学校改革を今回もぜひ手伝いたい、一緒にやっていこうと言われました。(昭和女子大ダイバーシティ推進機構キャリアカレッジ学院長の)熊平美香さんはジェンダーやダイバーシティー、教育にも造詣が深い。日大を変えればこの国の教育を変えられる、と理事をお願いしたところ、やってみたい、と。素晴らしい方を推薦できました。

 ――調査委員会を設置するというが、田中元理事長の事件を含めた調査か。

 ◆林理事長 セカンドオピニオンと思っていただきたい。事件についての大学側の調査報告書を読みましたが、本当にこれだけかという疑念を拭い去れなかった。世間の方からも「本当にこれだけか」と聞かれます。世間の誤解が解ければいいし、何か出てきてもそれはそれでいいと思っています。

 ――女性理事が9人。込めた思いは。

 ◆林理事長 本学の幹部では課長以上の女性はまだ7人。理事会の9人から出発し、本丸の女性管理職を増やしていくのが私の願いです。

 ――田中元理事長が(理事長退任後も)学内を行ったり来たりしている姿を見たという人もいる。学内には、田中元理事長とのしがらみが切れていないのではないか、という声もあるが。

 ◆酒井学長 日大においては4月1日に行動規範を作っております。それに基づいて対応していきます。3月31日に提出された再生会議の答申書、あるいは第三者委の報告書を尊重し、対応していきます。

 ◆林理事長 よくマスコミから「『親田中派』がうようよいるんだろう」と言われるのですが、サラリーマンなら、強いトップがいればその意に沿うのが当たり前で、仕方ないと思います。…

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