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朝鮮学校出身初のラグビー日本代表 李承信の使命

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【日本-ウルグアイ】後半24分、ゴールを狙う李承信=ミクニワールドスタジアム北九州で2022年6月25日、徳野仁子撮影
【日本-ウルグアイ】後半24分、ゴールを狙う李承信=ミクニワールドスタジアム北九州で2022年6月25日、徳野仁子撮影

 サクラのジャージーに袖を通し、仲間たちと肩を組んで「君が代」を歌う。試合前、ラグビー日本代表としての振る舞いに一層の重みを感じる。李承信(リ・スンシン)選手(21)=コベルコ神戸スティーラーズ=は韓国籍の在日3世。朝鮮学校卒業者で初めて日本代表キャップを獲得した。

 6月25日、ミクニワールドスタジアム北九州でのウルグアイ戦に後半22分、スタンドオフ(SO)として途中出場。得意のキックも披露し、「(日本代表は)漠然とした目標だったので、正直に言うと、こんなに早く選ばれるとは思わなかった。素直にうれしいのと、驚きの気持ちです」と喜びをピッチで表現した。SO山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)の新型コロナウイルス陽性を受け、2日のフランス戦(愛知・豊田スタジアム)で初めて先発出場する。

 ラグビーは国籍に関係なく、居住歴などの条件を満たせば代表資格を得られる。とはいえ、日韓両国の歴史は複雑に絡み合ってきた。愛息のジャパン入りに、元ラガーマンの父東慶(トンギョン)さん(56)は「否定的な意見を持つ人はいるかもしれない。でも、ラグビーはそんなスポーツではないと思う。承信には、これから朝鮮学校出身の子が見たことのない景色を見せてやってほしい。それがラグビー界や在日に限らず、いろんな子たちに次の道を開くことになると思う」と思いを代弁する。

 敬愛する父、背中を追った兄たち、今は亡き母、そして在日コリアンの後輩たち。周囲の期待を背負いながら、「壁」を軽々と飛び越えてきた。

朝4時半起床 大阪朝高の日々

 神…

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