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北陸ひと模様

北陸の各県でさまざまな活動に取り組む人を紹介します。

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田谷漆器店10代目 田谷昂大さん(31) 食卓に輪島塗のみそ汁椀を /石川

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田谷昂大さん=金沢市木倉町の「CRAFEAT」で2022年6月17日午後5時23分、深尾昭寛撮影
田谷昂大さん=金沢市木倉町の「CRAFEAT」で2022年6月17日午後5時23分、深尾昭寛撮影

田谷昂大(たかひろ)さん

 石川県の工芸と食が融合した店「CRAFEAT(クラフィート)」をプロデュースした。2021年7月の開店。地元食材を用いた料理を、輪島塗や九谷焼などの食器に盛り付けて提供する。食事を楽しむだけでなく、気に入った食器を購入することができる。

 輪島塗の製造販売「田谷漆器店」(同県輪島市)の10代目で、漆器製造・販売を統括する塗師屋(ぬしや)をしている。幼い頃から輪島塗は身近な存在だったが、当時は興味を持たなかった。転機は首都圏の大学に進んで一人暮らしを始めた時。納得のいくみそ汁椀(わん)が見つからず、実家から輪島塗の椀を送ってもらった。持ち心地、口当たり、保温力、美しさ、軽さ。「輪島塗って良いんだな」。届いた椀でみそ汁を飲みながら、その魅力に気がついた。展示会に手伝いで行く機会もあり、家業への関心が強まっていった。「自分が使ってきて、心から良いと信じられるものを販売できるなら一番の幸せだ」。そう感じたことが、現在につながっている。

 店で働き始めた当初、既存の顧客を回るのではなく新規開拓を求められ、手探りで東京都内の駅コンコースでの販売を始めた。最初は見るだけだった人が2日目に「またいるの?」と声を掛けてきて、3日目には「じゃあ買おうか」と言ってくれた。差し入れをもらうなど、多くの人の優しさに触れる日々だったという。

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