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小麦粉の価格が急上昇している。パン、麺類、揚げ物、ケーキ、お菓子――幅広い食材に使われる小麦粉に関わる業界にどんな影響が出ているのか。現場を歩くと、小売店やメーカー、消費者それぞれが苦しんでいた。
うどん店主の苦悩
東京都練馬区のうどん店「力丸」は6月1日、全品を100円値上げした。「節約できるところはもうない」。2021年5月のオープン以来、初めての値上げを迫られた店主の高原操さん(54)は肩を落とす。
オープン以来、小麦粉の仕入れ価格が4回値上がりし、22年6月で5回目。原材料費は約4割上がった。コストの上昇は店のもうけを食いつぶし、4月には営業赤字に転落した。価格を据え置くのは、もう限界だった。
高原さんは18年に脱サラしてうどん店を始めた。新卒で入社した企業で山梨県周辺の営業を担当した頃、同県富士吉田市の名物「吉田のうどん」と出合い、将来は東京で手打ちの吉田のうどんの店を開こうと考えた。高原さんは「富士吉田では400円ほどの安値で食べられる日常食。毎日食べられるような価格でやりたかった」と語る。ところが今回の値上げで、人気の肉うどんは200グラムで600円だったスタンダードが700円になった。
毎日食べてもらえる値段を目指して経営努力を続けてきた。これまで1年間の経験から、食品ロスが出ないように日々の売れ行きを予測してうどんを仕込み、最近はほとんど上振れ下振れはなくなった。野菜や肉は市場で1週間分をまとめ買いして、安く仕入れるようにしている。
ところが1カ月前、小麦粉の問屋から「6月24日納入分から約20%値上がりする」と通知された。6月17日の仕入れ時にはいつもの倍の200キロを購入し、少しでも小麦粉の値上げ転嫁を遅らせようとしている。
その努力も焼け石に水となる可能性がある。…
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