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熱海土石流

静岡県熱海市伊豆山地区で2021年7月3日、大規模な土石流が発生。災害関連死を含む27人が犠牲、1人が行方不明に。

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責任はどこに… 継続する行政へ追及、見えぬ真実 熱海土石流1年

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秋山文江さんの自宅裏には盛り土が高く積まれ、一部が崩落した=千葉県多古町で2022年7月2日午後3時55分、安藤いく子撮影
秋山文江さんの自宅裏には盛り土が高く積まれ、一部が崩落した=千葉県多古町で2022年7月2日午後3時55分、安藤いく子撮影

 静岡県熱海市の土石流災害は3日で発生から1年を迎えた。盛り土の崩落による同様の事故はどうやって防げばよいのか。土石流が起こった責任の所在をどう考えるべきか。多数の犠牲者を出した土石流が投げ掛ける問いは重い。【深野麟之介、安藤いく子】

「失敗」とされた県と市の対応

 「行政対応は失敗だった」「危険性の認識がなかった」。熱海市の土石流災害を巡り、静岡県の第三者委員会が今年5月に公表した最終報告書には、県と市の責任を厳しく問う文言が並んだ。今回の土石流は、起点の土地に造成された盛り土が被害を拡大させたとの見方が広がる。最終報告書は、県と市がそれぞれ、不適切な造成を止めて防災対策を施しうる立場にあったことを明確に打ち出した。

 土石流の起点となった一帯の土地の前所有者にあたる不動産管理会社(清算)=神奈川県小田原市=は2007年3月、総量約3・6万立方メートルの盛り土を造成すると市に届け出た。だが、県の推計によると盛り土は土石流発生前には届け出の2倍近い約7万立方メートルに達し、うち約5・5万立方メートルが崩落。土地は土石流発生の10年前、11年2月に現所有者に売却された。

 最終報告書は「市の(前所有者に対する)審査や指導が不十分だったことが行政対応の失敗の最大の要因」と指摘。「以降の是正措置や指導が取りにくくなった」とした。07年3月に前所有者が準備した、盛り土の造成を巡る書面は、防災対策などの重要事項が空欄だったにもかかわらず、市は受理していた。

 批判の矛先は県にも向けられた。…

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【熱海土石流】

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