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「体当たりの演技で脱いだ」「濡(ぬ)れ場に挑戦」――。映画の宣伝文句で使われる言葉だが、その裏で俳優が傷ついていたとしたら、観客は安心して作品を楽しむことができるだろうか。性加害の告発が相次いでいる映画界だが、監督やプロデューサーの指示で、ヌードや性行為のシーンで意に沿わない演技をさせられ、傷つく俳優は多い。そんな被害を防止するため、俳優向けに開かれているワークショップがあるという。どんなことをやっているのか、のぞいてみた。【大沢瑞季】
東京都内の雑居ビルの一室でワークショップは始まった。「役としての自分の境界線を考えてみてください」。肌の露出は、どこまでOKか。胸は? お尻は? 背中は? キスされたくない場所は? ベッドシーンで許容できる体位は? 一つ一つ細かく尋ねる質問リストに、参加していた俳優の女性3人、男性1人が回答していく。
「では、やりたくないことを監督がやりたいと言っている場合、どう自分の意思を伝えますか?」。俳優たちは考え込み、しばらく沈黙の時間が流れた。
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