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WOTA 「水問題」の解決、目指す

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地球塾で前田瑶介・WOTA代表取締役CEO(中央)の話を聞く生徒たち=東京都千代田区で、松田嘉徳撮影 拡大
地球塾で前田瑶介・WOTA代表取締役CEO(中央)の話を聞く生徒たち=東京都千代田区で、松田嘉徳撮影

 21世紀は水を争う「水の世紀」と言われる。2030年までに世界の水は40%不足しかねないとの予測もある。この地球規模の課題解決を目指すベンチャー企業がWOTA(ウオータ、東京都中央区)だ。代表取締役CEO(最高経営責任者)の前田瑶介さん(29)は「上下水道が全世界に普及しても人口に見合った水の総量が足りない場合、水問題は解決しない可能性がある。そこで当社は小規模分散型水循環システムを提案します」。

 一例が19年に開発し、災害時の避難所などで活用されてきたポータブル水再生プラント「WOTA BOX」。独自の水処理制御技術で一度使った水の98%以上を再利用する。通常100リットルの水でシャワーを浴びることができるのは2人だが、100人が使用可能という。

 3月にはカリブ海の島国アンティグア・バーブーダの政府と、WOTAの技術を使って同国の水問題解決を目指す基本合意書を締結。「海水面上昇で淡水資源が減るのは、島国に共通する課題。モデルケースとして解決していきたい」と前田さん。水資源が豊富な日本でも、浄水場や水道管などの修復に多額のコストがかかり、インフラ維持が難しくなっている地域がある。WOTAはこうした国内における該当地域についてもリサーチを進め、課題解決に取り組んでいる。

 前田さんは徳島県の山あいの集落で生まれた。水道が通っていない地域が多く、湧き水を水源としてホースで水を引いて生活。幼いころから生き物や自然環境に関心を抱き、水に関する研究を続け、世界各国の水事情を調べてきたという。

 お茶の水女子大付属中学校の生徒60人を前にした地球塾で、前田さんは「目的を持つこと」の大切さを強調。柳澤結菜さん(3年)は「学校でSDGs(持続可能な開発目標)を学んでも現実味がわかなかった。自分の目で世界の現状を見たいと思った」。【沢田石洋史】=次回は8月1日掲載予定

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