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「中国化」のはざまで

香港国家安全維持法の施行で事実上、ほごにされた1国2制度。当局が進める「中国化」の現場を探ります。

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「中国化」のはざまで

受難の香港キリスト教会 共産党の圧力に抵抗できるのか

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十字架を手に政府に抗議し、デモ行進をするキリスト教徒たち=香港で2019年8月30日、ロイター
十字架を手に政府に抗議し、デモ行進をするキリスト教徒たち=香港で2019年8月30日、ロイター

 「中国化」が進む香港でキリスト教会への抑圧が強まっている。反政府的な言動を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)の施行後、民主派を支持してきたプロテスタントの団体が親中派の強い圧力にさらされ、海外に逃れる牧師も出始めている。中国の習近平指導部は、香港でも中国本土と同様に、キリスト教会を徹底した管理下に置くことを狙うのか。

「礼拝で政府批判しない」暗黙の了解

 香港では1国2制度のもと、中国本土とは異なり、信教の自由が保障されてきた。英植民地だったこともあり、人口約740万人の香港でキリスト教徒は100万人を超える。多くのキリスト教徒が民主化運動にも参加。2014年の民主化要求デモ「雨傘運動」につながる中心市街地の占拠を呼びかけたのは、朱耀明牧師や熱心な信者の戴耀廷氏らだった。19年の政府への抗議デモでも多くの信者らが加わり、路上で賛美歌を歌った。

 「国安法が施行され、前面に立って運動している人がいつ逮捕されるか分からなくなり、香港を離れた」。昨年夏に台湾に逃れたプロテスタント教会の牧師、唐さん(40代)=仮名=は毎日新聞にそう明かした。

 唐さんは19年の抗議デモで他の牧師らと共に民主…

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