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元祖ロクロクの引退が迫っている。JRの東海道線と山陽線を中心に、貨物列車をけん引してきた電気機関車EF66形だ。彫りの深い顔立ちとがっしりした体つき、モーターをうならせて長大編成を引っ張るパワフルさ。多くのファンが長年熱視線を送ってきたが、年内にも迎える「車検切れ」をもって半世紀の歴史に幕を下ろす。
ブルートレインも牽引
ロクロクは貨物列車の高速化を使命に国鉄が開発し、1966年の試作機に続いて68年から74年にかけて55両が製造された。最長26両編成、最大1300トンのコンテナ貨車を時速110キロでけん引する力がある。85年以降は東京や大阪などと九州を結ぶブルートレイン(寝台特急)の先頭にも立ち、人気が衰えつつあったブルトレの晩年に「伴走」した。
87年の分割民営化でJR貨物は40両を国鉄から継承。貨物列車の増発でロクロクは不足しており、JR貨物はほぼ同様の性能ながら顔つきを一新させたEF66形100番台を91年までに33両製造し、うち25両が現役だ。
だが国鉄時代の元祖ロクロクは老朽化や後継機の増備(ぞうび)で廃車が進み、現役は27号機の1両のみ。27号機は東は宇都宮貨物ターミナル(栃木県)、西は東福山駅(広島県)の間を長駆する定期運用に就いていたが、今年3月のダイヤ改正の際に外された。今は吹田機関区(大阪府吹田市)で予備機として待機している。そして、車の車検にあたる「全般検査」の期限が、現時点では今年中に切れる予定だ。これをもって引退するとみられる。
まさに働く現場
6月下旬、吹田機関区に27号機と同じ73年生…
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