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介護・看護職の賃上げに不満続出 政府の制度欠陥が生んだ格差

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今回の処遇改善で8000円上がった介護職員の給与明細。「調整手当」が今回の賃上げ分に相当する=職員提供
今回の処遇改善で8000円上がった介護職員の給与明細。「調整手当」が今回の賃上げ分に相当する=職員提供

 政府は昨年11月、賃上げの「呼び水」として介護職や看護職らエッセンシャルワーカーの処遇改善を掲げた。取材すると、国が投じた補助金がかえって職場内の格差を生むなど現場の不満を高める事態になっていた。補助金の申請控えまで起きる制度の「欠陥」とは何か。【石田奈津子、神足俊輔】

首相肝いりの政策

 介護・看護職の処遇改善は、岸田政権による「成長と分配の好循環の実現」の一環で、民間分野での賃上げにも波及させる狙いがある。看護師は収入の1%相当の月4000円、介護職は収入の3%相当の月9000円を引き上げる。賃上げ分について、2月から9月までは国が事業所に補助金を出す。

 しかし、実際の介護現場では「9000円」に届かないケースが各地で相次いでいる。九州の介護事業所で働く20代男性の賃金は月6000円の引き上げにとどまった。入社5年目で手取りは18万円程度だ。高齢者の自宅を訪問して入浴させるのが主な業務だが、「コロナ禍で感染リスクや精神面での負担が高まっている。賃金が上がったことはうれしいが、欲を言えばもっと上がってほしい」と話す。

 日本介護クラフトユニオン(東京都)による組合組織への調査によると、月給制で働く介護職の賃上げ額は、6月24日時点で職場単位の22組合組織の加重平均で月6057円。染川朗会長は「聞いている限りでは、9000円の賃上げをしたところは1カ所しかない」と話す。

 低…

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