「違う」ことで目立つなら… 黒川ラフィが二つのプロをこなす理由

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ルリーロ福岡の練習に参加する黒川ラフィ選手=福岡県うきは市の浮羽究真館高校で2022年6月28日、丹下友紀子撮影
ルリーロ福岡の練習に参加する黒川ラフィ選手=福岡県うきは市の浮羽究真館高校で2022年6月28日、丹下友紀子撮影

 父はインド人。見た目が周囲と違うことは、幼い頃から認識させられてきた。「目立つならば良い目立ち方がしたい」。それができたスポーツは、自らの存在を証明するツールになった。アメリカンフットボールとラグビーでプロ選手を両立させる黒川ラフィ選手(27)は、「プロ」であることに強いこだわりがある。

 福岡市を拠点とするアメフトのイコールワン福岡SUNS(サンズ)で昨夏からプレーしている。競技経験は浅いが、チームが今季から社会人X1Super(スーパー)に昇格したことで、国内最上位リーグで戦うことになった。さらに今春、福岡県うきは市にラグビーチーム「ルリーロ福岡」が誕生すると、こちらにも加わった。2021年末に解散したコカ・コーラレッドスパークス(福岡市)などから選手が集まり、リーグワン入りを目指す新しいチームだ。

 梅雨の晴れ間が広がった6月12日、同県久留米市内のグラウンド。午前はルリーロ福岡が開いたラグビー教室で子供たちを指導し、午後はサンズの一員としてX1Superに所属するノジマ相模原との試合に出場した。「体力的には厳しいが、チャレンジする意味はある」。平日はラグビー、土日はアメフト。二足のわらじを履き、休みなく体を動かす日々だ。

 インド人の父と日本人の母を持ち、福岡市で生まれ育った。彫りが深い顔立ちで、幼い頃から周囲の視線を感じていた。容姿の違いを面と向かって指摘され、「なんで違うんだろう。なんで言われるんだろう」と悩んだこともある。一方で、運動会でのかけっこはいつも一番だった…

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