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円安と物価高

日本の物価が上がっています。円安・ドル高もコスト上昇に拍車をかけ、賃上げの動きも見られます。

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「使ってくれるのか」 政府の国内産小麦増産支援、生産者には不安も

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稲が育つ田んぼに立つ杉浦俊雄さん。今秋、ここに小麦を作付けする=愛知県豊田市で2022年7月4日午後3時46分、町田結子撮影
稲が育つ田んぼに立つ杉浦俊雄さん。今秋、ここに小麦を作付けする=愛知県豊田市で2022年7月4日午後3時46分、町田結子撮影

 ウクライナ情勢などを背景にした国際的な穀物の供給懸念から輸入小麦の価格が高騰する中、政府は国産小麦の増産支援を打ち出した。国産への期待が高まる一方、不安を抱える生産者もいる。

 「作れ作れと言うが、実際に使ってくれるのか。増産しても余ってしまったでは困るんです」

 愛知県豊田市の田園地帯。ここで小麦や米などを大規模に手がける農業生産法人「中甲(なかこう)」の杉浦俊雄社長(56)は、秋に種をまく予定の小麦の行き先を思い、不安な表情を浮かべる。作付け予定面積は260ヘクタールと県内最大。前季から更に増やす計画を立てるが、懸念は拭えない。

 輸入小麦の価格が高騰する中、政府は4月に発表した物価高騰の緊急対策で小麦の増産支援に25億円を計上した。この他、輸入小麦を使っている食品業者が国産に置き換える際の助成にも100億円計上。現在15%に過ぎない小麦自給率を一気に押し上げたい考えだ。

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