「もうたくさん」ジョンソン英首相、コロナ下のパーティーで見限られ
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

新型コロナウイルス対策の行動規制下にもかかわらず英首相官邸などでパーティーが繰り返されていた問題は、ついにジョンソン首相の辞意表明に発展した。一方、ロシアの侵攻を受けるウクライナに軍事支援を強化し、徹底抗戦を主張してきたジョンソン氏が去ることで、欧州主要国の対露姿勢に影響が出る可能性もある。
身内の閣僚と世論の動向を見誤る
「残念なことに、あなたのリーダーシップの下では現在の状況は変わらないことは明らかだ」。保健相を辞任したジャビド氏は5日、首相に宛てた書簡で、多くの議員の間で首相の統治能力に対する信頼が失われている状況を訴えた。2019年の首相就任以降、英国の欧州連合(EU)離脱=ブレグジット=やコロナ対策を進めた政治手腕を評価する文面もつづったジャビド氏。だが6日の下院質疑では「もうたくさんだ」と訴え、首相への嫌悪感をあらわにした。
首相は今回、こうした「身内」であるはずの閣僚、そして世論の動向を完全に見誤っていた。首相は20年6月にコロナ対策の行動規制を破ってパーティーに参加したとして今年4月に罰金を科されたが、この時点で大幅に求心力は低下していた。
1970年代にニクソン米大統領の辞任に発展したウォーターゲート事件に例え、英国では「パーティーゲート」と呼ばれたスキャンダル。パーティーが開催された同じ時期にコロナで家族を亡くした人が、首相への怒りを語る様子も英国では度々報じられている。型破りで失言も多い一方…
この記事は有料記事です。
残り1399文字(全文2015文字)