安倍氏不在で変わる政界の構図 保守離れで政権支持率低下も
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参院選で自民党が大勝したが、安倍晋三元首相の急死により、岸田政権は岸田・麻生・茂木の3派主流体制が強まり、最大派閥・安倍派の影響力低下は避けられない状況となった。選挙に敗北した野党も「安倍路線」批判の戦略見直しを迫られる。政界の構図は大きく変わりつつある。
崩れる党内バランス、政権運営にも影響
8日、自民党本部。安倍氏銃撃の一報を受け、各地で参院選の応援に入っていた幹部が急きょ演説を打ち切り、顔をそろえた。選挙活動を続けるべきか否か――。沈痛な空気の中、声を上げたのは麻生太郎副総裁だった。
「安倍元首相の思いを継がないといけない。いま打って出ないといけないんだ」。この一声で活動再開が決まった。多くの関係者は「安倍氏の死後、麻生氏の存在感が増している」と口をそろえる。
2021年10月に誕生した岸田政権で、党の中枢を担うのは、吉田茂、池田勇人両元首相の系統を継ぐ岸田派(宏池会、44人)、麻生派(志公会、49人)、茂木派(平成研究会、54人)の3派だ。これに党内最大派閥・安倍派(清和政策研究会、93人)を加えた4派が主流派を形成する。
3派はともに軽武装・経済重視の中道系で「保守本流」を自任する。一方の安倍派は、吉田、池田両氏と対立した岸信介、福田赳夫両元首相をルーツに持つ保守系派閥で、安倍氏は保守支持層に強い影響力を持つ。
安倍氏の存在は時に岸田文雄首相に緊張感を与えた。分配重視を掲げる首相に、安倍氏は成長重視のアベノミクスの継承を要求。首相がこだわる財政再建路線にも防衛費拡大を主張し、けん制した。4派がバランスを取りながら政策決定を進めることで、保守支持層の離反を防ぎ、岸田政権の基盤強化につなげてきた。
ところが安倍氏の突然の死により、安倍派の影響力低下は確実とな…
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