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私の社会保障論 石の上にも20年=千葉大予防医学センター教授・近藤克則

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 「石の上にも3年」ということわざがある。「たとえ冷たい石の上でも、3年間も座り続ければ温かくなってくる」との意味だという。この言葉を知った子どもの頃は「お尻も痛いし、退屈そう」「3年も耐えられない」と思った。

 私にとって、「石の上」とは「健康格差社会」に関する研究である。20年前の日本には、こんな言葉はなかった。日本にも健康格差があると報告しても、ほとんど相手にしてもらえなかった。まだ日本は格差が小さな国だと信じられていたからだ。初期には「日本社会にも、健康格差があるの?」「どんなメカニズムで健康格差は生まれるの?」「『不健康だから貧しくなる』という逆の因果じゃないの?」「健康は自己責任だから、社会として対応すべき問題ではないのでは?」などと問われ、それらに答えるのに追われていた。しかし、世界保健機関(WHO)が2009年に「放置すべきで…

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