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奇跡の傍らで

出産のリアルを描いた人気漫画「コウノドリ」のモデル、荻田和秀医師が命が誕生する現場からの思いをつづります。

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唯一無二の母子手帳 成長やワクチン接種記録=荻田和秀・りんくう総合医療センター産科医

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母子手帳には分娩前から乳幼児期までに受けた医療や保健サービスが記録されている マンガ「コウノドリ」Ⓒ鈴ノ木ユウ/講談社
母子手帳には分娩前から乳幼児期までに受けた医療や保健サービスが記録されている マンガ「コウノドリ」Ⓒ鈴ノ木ユウ/講談社

 サル痘という新興感染症が話題です。アフリカ、欧州だけでなくアジアでも確認されていますが、どうやら種痘を受けた世代には抗体があり、重症化しにくいのではないか、と言われています。自分が種痘を受けたかどうかなんて、僕ももちろん覚えていませんでしたが、母親から渡されたある書類を見て一発でわかりました。母子手帳です。

 母子手帳(母子健康手帳)には妊娠中から生まれた後までの成長の記録や健診結果、ワクチン接種の有無が記入できるようになっています。よく見ると、母のメモや感想が書き込まれていたり、僕がいたずらで描いた落書きまで残っていたりします。具体的には妊娠経過、いつどこで生まれたか、病院名や担当してくださった助産師や産科医の名前、生まれた時の体重や状態、乳児健診の結果、ワクチン接種の記録、幼児健診から歯の健診記録…

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