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知床観光船事故

2022年4月23日、知床半島沖で観光船が沈没。乗客乗員計26人のうち20人が死亡、6人が行方不明に。

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知床の海、今も「何かないか」 観光船沈没3カ月、漁師は探す

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捜索に関わってきた漁師の加藤諒太さん=北海道斜里町で2022年7月21日午後1時ごろ、山田豊撮影
捜索に関わってきた漁師の加藤諒太さん=北海道斜里町で2022年7月21日午後1時ごろ、山田豊撮影

 北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故は、乗客乗員計26人のうち12人が行方不明のままとなっている。事故は23日で発生から3カ月となる。

「役に立てたか」悔しさ募る

 カズワンが沈没したあたりの海域で操業する漁師たちは今も、行方が分からなくなったままの人たちの手がかりを探し、波間に目をこらす。漁師歴7年の加藤諒太さん(26)もその一人。事故が起きた4月23日の翌朝から捜索に協力してきた。「どんな形でも、乗っていた人たちにつながるものを見つけたい」。強い思いの裏には、漁師になったばかりの頃の経験と、その時に知った「海への恐れ」がある。

 加藤さんは祖父、父親と続く漁師一家で育った。子どもの頃から船釣りで海の楽しさを知った。一方で、「天気の良い日も急に風が吹き、白波が立つ。船にしがみついていないと落ちそうな荒れ方もする」ことも体感した。

 2015年、漁師として初めて海に出た。仕事に慣れ始めたころ、観光船の船長が船に巻き付いたロープを取ろうと海に飛び込み、行方不明になる事故があった。…

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【知床観光船事故】

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