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神田京子さん、みすゞへの思い/下 過酷な状況でも前向きに

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高座に上がる講談師の神田京子さん=東京・浅草の「木馬亭」で2021年10月26日撮影(提供写真)
高座に上がる講談師の神田京子さん=東京・浅草の「木馬亭」で2021年10月26日撮影(提供写真)

 人気講談師の神田京子さん(45)は、2年半前に東京から山口へ住まいを移した。コロナ禍の中で、山口出身の童謡詩人・金子みすゞの詩に共感し、その人生や作品を講談に仕立て、昨年度の文化庁芸術祭で優秀賞を受賞。新作講談に込めた思いや、山口での生活などを聞いた。

 ●コロナ不安の底で

 京子さんは、大学4年生だった1999年、就職活動などで悩んでいた時、偶然入った寄席で二代目神田山陽の講談に出合った。「心の中でもんもんとしていたものが、解き放たれた」と感じ、その場で入門を決意。山陽から「今日突然来たから」と「京子」の名をもらった。ただ、翌年に師匠は91歳で他界。その後、山陽門下の姉弟子、神田陽子に師事した。2014年に真打ち昇進。「技術の習得が遅いのは分かっていた。15年かけて真打ちになり、仕事で好きなことができるようになり、うれしいです」

 金子みすゞのことを深く知るきっかけは、山口への移住、そしてコロナ禍だった。「コロナで(東京などでの)仕事がなくなり収入や生活の不安が大きい頃、詩集を手にしました。そういう状況でなければ、みすゞさんの世界観は心に響かなかったと思います」

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