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「スポーツ界の枢要施設が機能不全」町田樹さんが抱く危機感

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秩父宮記念スポーツ博物館を取材する町田樹さん=千葉県船橋市で2022年7月7日午後4時18分、芳賀竜也撮影
秩父宮記念スポーツ博物館を取材する町田樹さん=千葉県船橋市で2022年7月7日午後4時18分、芳賀竜也撮影

 東京オリンピックの開幕から23日で1年が経過した。そんな時に、国学院大助教の町田樹さん(32)から「日本にとって非常に重要なメガスポーツイベントであった東京五輪の前後10年間、イコール計20年の間、日本スポーツ界の枢要施設が機能不全に陥っている」とのメールが届き、ドキリとした。町田さんが“取材”すると聞き、千葉県船橋市にある「枢要施設」を訪ねた。【芳賀竜也】

新国立競技場に移設されず

 メールに添付された地図には「『JBS物流センタービル』という名称の倉庫を目指して来ていただくとよいです」と書かれていた。倉庫が日本スポーツ界の枢要施設なのか。JR京葉線二俣新町駅から歩くこと約10分。たどり着いた倉庫の5階は「秩父宮記念スポーツ博物館・図書館」の仮事務所だった。

 「私はスポーツアーカイブの研究もしています。日本のスポーツアーカイブの状況を調査する中で、秩父宮記念スポーツ博物館という存在を知り、かつ、その博物館、日本のスポーツアーカイブをけん引する中枢のアーカイブ機関が、機能不全に陥っていることに問題意識を抱きました」

 アーカイブは「保存」という意味だ。スポーツに関する資料を収集・保存し、活用するのが「スポーツアーカイブ」。秩父宮記念スポーツ博物館は、1959年に開館した国内唯一の総合スポーツ博物館である。旧国立競技場(東京都新宿区)内にあり、イラク出身の女性建築家、ザハ・ハディド氏がデザインした国立競技場建設の当初計画案では、移設される予定だった。だが、高騰する建設費が世論の反発を招いて計画は縮小、変更され、建て替え後の国立競技場には移設されなくなった。

 旧国立競技場にあった博物館の資料約6万件と図書館の資料約16万冊は2014年、いったんは東京都足立区の倉庫に移された。ところが、この倉庫は水害時に浸水の恐れが…

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