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ワンルームの半分以下 東京都心の「極小物件」に若者注目のわけ

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「職場から近く、狭さは全く気にならない」と話す住人の豊嶋祐稀さん=東京都新宿区で2022年5月16日午後8時12分、飯田憲撮影
「職場から近く、狭さは全く気にならない」と話す住人の豊嶋祐稀さん=東京都新宿区で2022年5月16日午後8時12分、飯田憲撮影

 一般的なワンルームマンションの半分以下の広さしかなくても、安くてきれいでアクセスも良い。そんな東京都心の「極小物件」が、若い世代に支持されている。近年はアジアなど海外からの関心も寄せられているという。昭和の名曲「神田川」の歌詞に登場する「3畳一間」の現代版とも言えるが、人気の秘密はどこにあるのか。

 東京都新宿区の閑静な住宅街に、白を基調としたスタイリッシュな外観の2階建てアパートが建つ。共用の廊下は人がすれ違えないほど狭い。玄関は靴3足を置けばいっぱいになるほど小さく、3畳の居住スペースを含む専有面積はわずか9平方メートルしかない。白い壁や3・6メートルの高い天井のせいか、圧迫感はそう感じない。リビングにかけられたはしごの上には、専有面積には含まれない屋根裏部屋のようなロフトが付いている。ベッドルームや物置として使う入居者が多いという。

 「職場は歩いても30分ほど。このアクセスの良さは代えがたい」。この部屋に住んで1年半になる会社員の豊嶋祐稀さん(30)はそう話す。

 立地の良さに加え、敷金・礼金ゼロで初期費用を抑えられることや、周辺の相場より2万~3万円安い7万4500円の家賃に魅力を感じたという。浴室には湯船はなく、シャワーのみ。歯磨きや洗顔はキッチンで済ませる。それでも、部屋ではゲームをして過ごすことが多く、寝る時はロフトに上がるので狭さは気にならない、と豊嶋さんは言う。

 この物件を扱う不動産会社「スピリタス」(東京都港区)は、新宿や恵比寿、目黒など都内の人気エリアの駅周辺で「3畳・ロフト付き」の賃貸アパート約100棟を展開する。全約1500室の入居率は98%を誇り、ほぼ空室がない状態が続く。入居者は男性が6・5割、女性が3・5割で、20、30代が全体の8割を占める。同じく東京都心の物件に住み、1年以上になる美容師の沢美里さん(23)は「実家の自分の部屋より狭いけど、住んでみると気にならない。手を伸ばせば何でも届く距離にあるのが楽」と話す。

 スピリタスが極小物件を初めて手掛けたのは2015年9月。仲摩恵佑社長(35)も、かつては1時間以上かけて通勤し、ヘトヘトに疲れて帰宅していた。「仕事に打ち込む若者にとって、狭くても住みやすくて勤務地に近い物件のニーズは…

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