暗記にフセン! 「忘却曲線」から思いついた高校生の特許とは
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この問題、前にも間違えた気がする――。試験の最中に「復習」をおろそかにしたことを後悔した経験はないだろうか。おざなりになりがちな復習を手助けする付箋が東京都内の百貨店で販売され、売り上げランキングの上位に食い込んでいる。現役の高校生が開発し、特許まで取得した付箋だ。中学受験の実体験から生まれた新しい付箋の仕組みと使い方のコツを本人と識者に聞いてみた。【菅野蘭】
高校生が開発したいくつかの付箋商品のうち、都内百貨店で売れ行きが良いという横型のパッケージを手に取り広げると、幅が約1センチ、縦約6センチの付箋31種類がずらっと並んでいる。一つ一つの付箋は縦書きで数字がたくさん印刷されており、一見するとランダムな数字に見え、戸惑ってしまうかもしれない。でも数字の並び方にこの付箋の秘密がある。
例えば、8月1日に学習した問題集で復習が必要そうだと感じた問題があるとする。その場合は、付箋の一番下に「1」と書かれた付箋を選び、問題集のページに貼る。「1」はその月の「1日」の日付だ。この「1」の付箋には上から2、8、29と書いた数字が印刷されている。それぞれ、翌日、1週間後、4週間後の日付だ。その日付に合わせて同じ問題を繰り返し解く。同じようにその月の20日用の付箋なら、上から21、27、17(翌月の17日の意味)の数字が並ぶ。それぞれの数字の間には切り取り用のミシン目や点線が入っており、勉強し終えたらその部分は切り取って捨てる。
商品名は「エビングハウスフセン」。心理学者のヘルマン・エビングハウス(1850~1909年)にちなんで名付けた。時間の経過と記憶の関係を実験で示した「忘却曲線」で知られる人物だ。記憶を定着させるポイントを1日後、1週間後、1カ月後に設定し、学習内容を忘れにくくするのがこの付箋のねらいだ。
1カ月が31日ある月用のほか30日用や2月用など数種類あり、西武渋谷店の「CHOOSEBASE SHIBUYA」で期間限定で1冊660円か…
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