ローン拒否が拡大「総額8兆円」慌てる中国当局 恒大問題の現場は今

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中国東北部遼寧省瀋陽市で建設していた中国恒大集団のマンション=2021年7月10日、小倉祥徳撮影
中国東北部遼寧省瀋陽市で建設していた中国恒大集団のマンション=2021年7月10日、小倉祥徳撮影

 中国経済に不動産不況という暗雲が垂れこめている。不動産大手の中国恒大集団が総額約2兆元(約40兆円)という巨額の負債を抱えて資金繰りに行き詰まったことは記憶に新しい。問題は他の不動産大手にも波及し、マンション購入者が住宅ローンの返済を拒否する動きが全国で広がっている。政府も対応に慌てる問題の現場を訪ねた。

恒大破綻で懸念された「バブル崩壊」

 まずは恒大問題をおさらいしたい。

 1996年に中国広東省広州市で創業した同社は、中国の不動産ブームに乗り、2020年には売上高5072億元(約10兆円)、住宅販売面積中国2位、従業員数約20万人の巨大企業に成長した。事業も多角化を進め、電気自動車(EV)の製造やプロサッカーチームの経営にまで乗り出した。創業者の許家印氏は、17年時点で資産2900億元(約5・8兆円)と中国の長者番付で首位になったこともある。

 だが、高騰し続ける不動産価格を警戒する中国政府が、不動産融資の規制を強化したことを受け、21年夏ごろに資金繰り問題が表面化。6月末時点の負債総額が約2兆元にも達したことから、国外を中心に一時は「中国の不動産バブル崩壊」「リーマン・ショックの再来」と呼ばれ、世界経済全体のリスクとして危機感が強まった。12月には、米ドル建て社債の利払いを期日通り行えず、格付け会社が一部債務不履行(デフォルト)を認定。恒大は今年7月末までに経営再建に向けた債務再編案を発表するとしていたが、29日深夜、22年内に発表を事実上先送りする方針を表明。同社の先行き不安はなお続いている。

 恒大の経営危機は同社のみならず市場全体の冷え込みを招いている。中国の不動産販売は21年7月から前年実績割れが続いていたが、最近では新たな問題を引き起こしている。

進まぬ工事、購入者は「ローン拒否宣言」

 北京市中心部から東方約30キロの通州区。住宅地の一角にある川沿いの広大な敷地では、中堅不動産業者が手がけるマンション団地の建設が進められていた。一見ありふれた光景だが、このマンションの購入者らは7月中旬、地元政府や銀行宛ての「告知書」を公開し、こう宣言した。…

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