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「本日はありがとうございました」。兵庫県内の老舗温泉旅館で、宿泊客を見送る男性(41)は笑顔で深々と頭を下げた。覚醒剤売買などに関わった元暴力団組員で、兵庫県警の紹介で4年前からこの旅館で働く。「社会復帰は道半ば」と語る男性の半生を取材した。
仕事頼まれて組員に
男性は高知市出身で父親、伯父、いとこが暴力団組員。不良仲間と窃盗を繰り返して補導され、高校を中退した。定職に就かず、地元の仲間とギャンブルや金貸しをしながら遊んだ。
思い直して27歳からは6年ほどはカーナビの製造などで生計を立てた。仕事に打ち込んでいたが、知人から「一緒に仕事を手伝ってくれ」と繰り返し頼まれた。3回目の離婚時期と重なり、心機一転しようと引き受けた。知人は周囲に隠して暴力団に所属していた。男性も違法なインターネットカジノの運営に関わり、2016年12月ごろ、神戸山口組系の暴力団に入った。故意に交通事故を起こして、損害賠償を請求する当たり屋や覚醒…
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