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安倍晋三元首相銃撃

2022年7月8日、奈良市で街頭演説をしていた安倍晋三元首相が銃撃され、その後、死亡が確認されました。

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旧統一教会と政治の関係 塚田穂高氏「国会で検証し国民に明示を」

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国会議事堂前を通る、安倍晋三元首相の葬列=東京都千代田区で2022年7月12日午後3時6分、宮武祐希撮影
国会議事堂前を通る、安倍晋三元首相の葬列=東京都千代田区で2022年7月12日午後3時6分、宮武祐希撮影

 安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治の関係がクローズアップされている。宗教と政治の問題やカルト問題を研究してきた塚田穂高・上越教育大大学院准教授は、旧統一教会が不安や恐怖をあおって高額な物品を売りつける「霊感商法」の事件化や、高額献金の強要をめぐる訴訟などで何度も社会問題となったのに、両者の関係が不透明な形で続いてきたと指摘。「政治家はこれまでの問題点を検証し、国民に明示すべきだ」と話す。どういうことなのか、塚田氏に聞いた。【芝村侑美】

 ――旧統一教会と政治とのつながりについて教えてください。

 ◆旧統一教会(旧称=世界基督教統一神霊協会)は1954年に韓国で設立された土着的キリスト教系新宗教で、日本には58年に伝わりました。宗教法人としての認証は64年ですが、68年には政治団体「国際勝共(しょうきょう)連合」を発足させました。勝共とは「共産主義に勝つ」ということです。

 新宗教は一般的に、個人の御利益にとどまらず、現実の社会に働きかけ、自分たちが考える理想社会を実現していこうという傾向が強い。その一環として政治活動が行われることがあります。それにしても旧統一教会の例は特異です。

 当時は資本主義と社会主義が対立する「東西冷戦」の下で、日本でも学生運動が盛り上がりを迎える時期でした。大物右翼や安倍氏の祖父である岸信介・元首相ら自民党の保守派政治家と早くから結びつき、左派に対するカウンター(対抗)としての役割を担おうとしたのです。改憲運動や80年代の「スパイ防止法」制定運動などにも積極的に取り組んできました。

男女共同参画も敵視

 ――冷戦後も関係は続いたのでしょうか。

 ◆ソビエト連邦の崩壊(91年)で冷戦は終わりますが、彼らなりの闘いは続きます。理想世界実現のためには政治家の賛同や政治力が必要と考え、信者を議員秘書や運動員らとして送り込み続けました。92年に教会の創始者である文鮮明氏が来日した時も、自民党との関係が取り沙汰されました。

 文氏は脱税で米国で禁錮刑を受けており、入管法の規定では入国できないはずでしたが、金丸信・自民党副総裁(当時)ら同党の議員がはたらきかけ、「国会議員との意見交換」を目的に法相が特例として許可しました。

 また、家族や性的「純潔」を重視する教えから、夫婦別姓や性教育、ジェンダーフリー、男女共同参画、同性婚、LGBTなど性的マイノリティーへの理解といった動向を新たな「共産主義」的価値観として敵視するようになりました。

 ――安倍氏とのつながりは。

 ◆安倍氏が父晋太郎氏の地盤を継いで衆院・旧山口1区から初当選したのが93年です。安倍氏からすれば、旧統一教会とは祖父の代からの付…

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【安倍晋三元首相銃撃】

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