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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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脱「脱原発」? ガス不足の危機迫るドイツ、稼働延長に現実味

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ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機を受け、ガス会社の関連施設を視察するドイツのハベック経済・気候保護相=独中部バート・ラオホシュテットで2022年7月28日、ロイター
ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機を受け、ガス会社の関連施設を視察するドイツのハベック経済・気候保護相=独中部バート・ラオホシュテットで2022年7月28日、ロイター

 ロシアが欧州への天然ガス供給を止めるとの懸念が高まる中、ドイツ政府は今年末までに稼働停止を決めていた国内の原発3基を来年以降も稼働させるかの検討に入った。一貫して稼働延長に反対してきた連立与党の「緑の党」からも、延長容認とも取れる声が出始めている。ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受け、ドイツでは年内の原発の完全な稼働停止を断念する可能性が浮上してきた。

 「もし病院が機能しないような緊急事態が起こるとすれば、その時は原発の燃料棒について話さなければならない」。緑の党のカトリン・ゲーリングエッカート連邦議会副議長は、7月24日に独公共放送ARDの番組に出演。ロシア産ガスの供給が途絶え、電力が不足するような場合、原発の稼働延長もあり得るとの見方を示唆した。

ロシアが天然ガス供給大幅減

 稼働延長が現実味を帯び始めた背景には、ロシアがガス供給を大幅に減らし、暖房需要が高まる今冬にガスが不足するとの危機感がある。ロシア国営ガス大手ガスプロムは6月中旬以降、ドイツとつながる天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」を経由したガス供給量を削減し、現在は2割にまで制限した。カナダに修理に出したタービンの返却が遅れていることなどを理由にしているが、厳しい経済制裁を科す欧州に揺さぶりをかけ…

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【ウクライナ侵攻】

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