蔵書230万冊「知の円形劇場」 遊んで騒げる新石川県立図書館開館

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円形劇場のような形状の図書館内部=金沢市小立野2の石川県立図書館で2022年7月16日午後4時44分、阿部弘賢撮影
円形劇場のような形状の図書館内部=金沢市小立野2の石川県立図書館で2022年7月16日午後4時44分、阿部弘賢撮影

 全国トップクラスの蔵書数を誇る新石川県立図書館が7月、金沢市小立野地区に開館した。「図書館の常識から外れている」(田村俊作館長)という円形劇場のような開放的な空間に約30万冊の図書が開架され、初日から多くの県民が訪れた。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)映えする写真が撮れるとあって観光客の姿も多く、新たな観光名所としても期待される。

 図書館は地上4階・地下1階建て、延べ床面積約2万2000平方メートル。図書収蔵能力は全国トップクラスの約230万冊を誇り、公文書館の機能も備える。旧図書館(同市本多町3)の老朽化に伴い、金沢大工学部跡地に移転・新築した。総事業費は約150億円で、愛称は「百万石ビブリオバウム」。

好きな言葉を選ぶと関連本がプラネタリウムの星のように浮かび上がる「ブックリウム」=金沢市小立野2の石川県立図書館で2022年7月22日午後3時21分、阿部弘賢撮影
好きな言葉を選ぶと関連本がプラネタリウムの星のように浮かび上がる「ブックリウム」=金沢市小立野2の石川県立図書館で2022年7月22日午後3時21分、阿部弘賢撮影

 7月16日の開館記念式典で、馳浩知事は「知性の輪がどんどん広がっていく拠点になれば」とあいさつ。またコンサートやファッションショーなどを念頭に「図書館の枠を超えた活動もしてほしい」と期待を寄せた。

 館内は緩やかなスロープでつながり、バリアフリー化されているほか、約500席ある閲覧席はさまざまなタイプの椅子やソファ、机が備え付けられている。3階の渡り廊下で写真を撮っていた、川崎市の男性会社員(26)は「SNSで見て、旅の目的地の一つにした。すごくきれいで観光客も楽しめると思う」と話した。

 「会話のできる図書館」というコンセプトも特徴の一つ。館内では会話や携帯電話の利用もOK。「こどもエリア」には遊具もあり、子供たちの歓声が響く。長女(8)と訪れた石川県野々市市の女性会社員(48)は「騒いでいいというのは新感覚。ご飯を食べる場所もあるので一日楽しめそう」と歓迎する。

 県によると、開館から3日間の入館者数は約1万7000人と、出足は好調。田村館長(慶応大名誉教授)は「館内の見晴らしは日本一。開放感や見通しの良さと、(本への)アクセスのしやすさを両立している」とし、「本の世界への入り口として、いろんな楽しみ方ができるので活用してほしい」と呼びかけている。【阿部弘賢】

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