大地震が起きたら その時どうする?

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大地震が起きたら 拡大
大地震が起きたら

 大きな地震が突然発生したら、どうしたらよいのでしょう。どうやって身の安全を守るのか、家族とどう連絡を取るのか、をまとめました。

自宅で地震が発生したら

・まずは身の安全を守る

・あわてるとけがの元に

・揺れが収まったら火の元を確認する

・ドアや窓を開けて出口を確保する

・高層階は長く揺れるので注意する

自宅で地震が起こったら… 拡大
自宅で地震が起こったら…

 揺れを感じたら、頑丈なテーブルの下に潜ったり、座布団をかぶったりして頭や体を守ります。家具類が転倒したり、ガラスや食器が割れたりするとけがをするので気をつけましょう。火の始末は慌てないことが肝心です。揺れが収まるのを待ってからの方がよい場合もあります。調理中の鍋などが落ちてきてやけどをする恐れがあるからです。揺れを感知して自動的にガスの供給を停止する仕組みが大半の家庭に設置されています。高層階は、震源から何百キロも離れた場所にいても、「長周期地震動」という大きな揺れに見舞われることがあります。

外出先で地震が発生したら

・エレベーターは閉じ込められる恐れがあり、速やかに降りられるよう全ての階のボタンを押す

・自動販売機や塀は倒れてくる恐れがあるので近づかない

・建物の外壁は、看板やタイル、窓ガラスが落ちてくる恐れがあるので近づかない

・鉄道やバスに乗車している時は急に止まることがあるので、姿勢を低くしたり手すりやつり革につかまったりする

・高層階は長く揺れるので注意する

・車を運転していたら減速し、左に寄せて停車する

屋外で地震が起こったら… 拡大
屋外で地震が起こったら…

 大勢の人が集まる建物の中にいる時は、出口や階段に大勢の人が殺到することになりかねません。あわてて駆け寄らずに慎重に行動し、建物の係員らの指示があれば従いましょう。建物の中でも外でも、大きなものが倒れてきたり、上からものが降ってきたりすることがあるので注意が必要です。電車やバスなどの公共交通機関を使っている時は、緊急停車などに備えて姿勢を低くし、目の前の座席やつり革につかまるとよいでしょう。車はハザードランプをつけて減速し、道路左側に止めてエンジンを切りましょう。避難する時はキーを付けたまま、ドアをロックしないでおきます。通行の妨げとなった際に車を移動できるようにするためです。連絡先のメモを残しておくとよいでしょう。

家族との連絡はどうする?

・電話はつながらない可能性がある

・メールやSNSで連絡を取ってみる

・災害伝言サービスを駆使する

・スマホの電池を節約する

・自宅に書き置きをする

 災害が発生すると、通信制限が行われて電話がつながりにくくなります。メールやLINE、ツイッターなどのSNSは連絡が取りやすいとされています。大きな災害が発生した場合、通信各社が設ける「災害用伝言サービス」を利用することもできます。電話を使ってメッセージを残し、互いの無事を確認できる仕組みです。スマホは普段通り充電できるとは限らないので、画面を暗くして、予備バッテリーを準備するとよいでしょう。自宅に張り紙をして無事であることや避難先を伝えることもできます。

災害用伝言サービス

・災害用伝言ダイヤル=音声

 「171」に電話し、録音の場合は「1」、聞く場合は「2」をダイヤル。音声の指示に従うとメッセージを録音・確認できる

・災害用伝言板=文字

NTTドコモKDDI(au)ソフトバンク/ワイモバイルにアクセスすると、伝言を登録・確認できる

・災害用伝言板(web171)=文字

 サイト(https://www.web171.jp/)にアクセスすると、伝言を登録・確認できる

 伝えたいメッセージを録音、文字で残すと、他の人が確認できる仕組みです。電話番号を入力して安否を伝えると、その番号を知る人は後で安否を確認できます。災害用伝言ダイヤルと災害用伝言板(web171)はどちらかを使えばもう一方の内容を確認できます。

避難・移動で気をつけること

・危険が迫っていたらためらわず避難

・基本は徒歩で

・渋滞や混雑にまきこまれないよう、近くにとどまることも考える

・デマやうわさに惑わされない

 自治体から避難指示が出たら避難するようにしましょう。避難所はホームページで確認することもできます。車での移動は渋滞するので避けた方がよいでしょう。落下物などへの注意が必要です。出先から無理に自宅に戻ろうとすると、帰宅困難者となりかねません。自治体によっては、すぐに帰れない人たちが一時的に滞在できる施設をホームページで公表しています。この施設は避難所とは別のものです。SNSなどで出所が不明の情報は、正しいとは限らないので注意しましょう。

一時滞在施設を公表している主な自治体

帰宅困難者に開放されたホールで体を休める人たち=横浜市西区で2011年3月11日午後11時44分、森田剛史撮影 拡大
帰宅困難者に開放されたホールで体を休める人たち=横浜市西区で2011年3月11日午後11時44分、森田剛史撮影

 ホームページに施設が公表されるのは、大地震が起きてからの場合もあります。公表されている施設が実際に開設されなかったり、混雑や被災状況により利用できなかったりすることもあります。利用したい場合は確認が必要です

札幌市東京都神奈川県横浜市千葉市さいたま市名古屋市大阪府大阪市京都市神戸市福岡市

津波が発生する場合はどうする?

・津波の警報・注意報が出たら、海岸や沿岸部から急いで高台に逃げる

・津波の速度は非常に速く、見てから逃げるのでは間に合わない

・川べりからは直角方向に避難する

 気象庁は、地震が起きて津波が予想される場合、地震発生から約3分を目標に、津波の警報、注意報を発表します。マグニチュードが8を超えるような巨大地震の場合、最初の警報で、津波の高さについて「巨大」「高い」といった言葉を使って非常事態を伝えます。この場合、直ちにできる限りの避難をしましょう。

 震源が陸地に近い場合、警報・注意報が津波の襲来に間に合わないことがあり、気象庁は、強い揺れや弱くても長い揺れを感じたときは、すぐに避難を始めるよう勧めています。沿岸部に住んでいる人は、地域で予想される津波の高さや高台の場所をあらかじめ調べておくとよいでしょう。

 津波は沖合では時速800キロとジェット機並みの速度になることがあります。陸地に近づくと減速しますが、それでも時速30~40キロに達するため、津波が近づいてから逃げては間に合いません。

 津波の力は非常に強く、海の中では高さ0・2~0・3メートル程度でも流れに巻き込まれる恐れがあり危険です。浸水が0・5メートル程度でも、船舶や木材など漂流物の直撃で建物に被害が出る場合があります。津波は川をさかのぼります。川べりから避難する際は、川の流れる方向ではなく、直角方向に避難するように心がけましょう。

どんな備えが必要か

・家族同士の連絡手段を決めておく

・割れた窓ガラスなどの破片でけがをしないよう、枕元に懐中電灯やスリッパを置く

・少なくとも3日分の水や食料を備蓄する

・非常用持ち出し袋に必要な備品を入れておく

 地震が起こったらどこに避難し、どう安否を確認し合うかなど、日ごろから家族で話し合っておくとよいでしょう。災害用伝言サービスを含めて、何を使ってどう連絡を取り合うかは事前に決めておくとスムーズです。就寝時の地震を見据えた枕元の備えも大切です。

 地震後、何日も自宅にとどまる可能性もありますが、ライフラインは使えなくなる恐れがあります。カセットコンロや簡易トイレは重宝しそうです。

(総務省消防庁、東京消防庁、警視庁、東京都、総務省、気象庁のホームページを参考に作成しました)

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