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安倍晋三元首相銃撃

2022年7月8日、演説中の安倍元首相が銃撃され、死亡しました。その後の「国葬」にも疑念が…。

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「旧統一教会と保守派の蜜月が導火線に」 一水会の木村三浩代表

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民族派団体「一水会」の木村三浩代表=東京都新宿区で2022年7月29日午後3時40分、金森崇之撮影
民族派団体「一水会」の木村三浩代表=東京都新宿区で2022年7月29日午後3時40分、金森崇之撮影

 安倍晋三元首相(67)が街頭演説中に銃撃されて死亡した事件を受け、政治家と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関わりが次々と明らかになっている。民族派団体「一水会」代表の木村三浩さん(65)は、「選挙に勝つための手助けになるとでも考えていたのではないか。保守政治家の足元を見られた一種の魔法だ」と厳しい目を向ける。

銃撃事件の「導火線」

 安倍氏銃撃事件が起きた後、一水会のツイッターには保守勢力と旧統一教会の関係を非難するメッセージが投稿された。

 「本来、旧統一教会と保守政治家との癒着を最も強く糾弾すべきは、土着宗教系の組織や日本の保守運動を標榜(ひょうぼう)する勢力であったはずだ。だが彼らは、原理の教義を棚上げにし、反共という一致点で同教会を頼もしく思い、助っ人になると踏んだのだ。日本の保守派と旧統一教会の蜜月が、今回の事件の導火線にある」

 一水会は、東京・市ケ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺した作家、三島由紀夫らの顕彰祭を毎年開いている団体で、代表の木村さんは新右翼団体「統一戦線義勇軍」の初代議長も務めた人物だ。投稿の真意を知りたいと東京都内の事務所を訪ねると、木村さんは意外な思い出から話を切り出した。

 「20歳の頃だったかな。実は、(旧統一教会の関連組織とされる)原理研究会の活動に路上で誘われてね、一度だけ都内の教会に講義を聴きに行ったことがあるんです。登壇者は『共産主義は間違っている』と力説していて、雰囲気もアットホームでした。入会は断りましたけどね」

 木村さんが本格的に民族派の活動を始めたのは1970年代後半。当時は、旧統一教会の関連団体と日本の右翼組織や民族派団体は「反共」という目的が一致しており、安保闘争などが盛んだった時代背景もあり、勉強会などで顔を合わせることも多かったというのだ。

「反共」を旗印に協力

 世界平和統一家庭連合のホームページなどによると、旧統一教会は54年5月に韓国・ソウルで創立された。59年には「日本統一教会」が設立され、64年に宗教法人として認証された。

 自民党や保守勢力とのつながりが取り沙汰されるようになるのは、旧統一教会が68年に反共産主義運動を担う政治団体「国際勝共連合」を発足させた頃からだ。

 当時は日米安全保障条約の自動延長に社会党や共産党が反対し、学生運動が激しさを増した「70年安保」のまっただ中でもあった。そうした状況の中で、「反共」という…

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