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下水で探る第7波の高さ 「過去最多更新」予測の地域も

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仙台市の新規陽性者数の下水による予測と実際の結果 拡大
仙台市の新規陽性者数の下水による予測と実際の結果

 新型コロナウイルス感染の「第7波」がどこまで高くなるのか、下水に含まれるウイルスの濃度から予測しようと、各地の研究者らが奮闘している。今後、新規感染者数は過去最多を更新するとの予測が示された地域もある。「水面下」で何が起きているのか?

 新型コロナの感染者は無症状でも便からウイルスを排出することがわかっており、下水は流行状況の実態を示すものとして、研究されてきた。これまでに下水中に含まれる新型コロナのウイルス濃度が高まれば、新規感染者数も増えていく傾向があることがわかっている。

 札幌市では、北海道大の北島正章准教授(環境ウイルス学)が調査にあたる。市が週3回、下水処理場で採取した検体を解析している。「下水中のウイルス濃度は下がりきらないまま、第6波と同じか、それより急に濃度が高まった」と北島准教授は語る。実際に7月上旬以降、1週間の新規感染者数は前週比で約2~3倍のペースで増えている。

 北島准教授は直近の下水中のウイルス濃度について、これまでにない高い水準にあるとし、感染拡大の傾向は続くとみている。

 仙台市の下水処理場でも、東北大の佐野大輔教授(環境水質工学)らのグループが調査をしている。週2回検体を採取し、ウイルス濃度の他、ワクチン接種の状況などを加味する。コンピューターに学習させて、今後1週間の陽性者数を予測してきた。実際の人数はほぼ重なる。

 7月中旬以降、感染者数は毎週2倍前後増えていくとの予測結果で、実際の感染者数もほぼ倍ずつ増えていった。

 8月1~7日の感染者も、過去最多を更新するとした。前週の予測値の1・4倍で、やや勢いは鈍化しているようにも見えるが、佐野教授は「感染者数の結果が出ないとわからない」と慎重な見通しを示す。また、過去にない規模の感染者数が続き、機械学習が能力を発揮しづらくなっているとみている。

 宮城県は高齢者に外出自粛を求める「BA・5対策強化宣言」を出す方針を示しており、今後の感染状況について佐野教授は「何も対策をしない場合と比べ、一般の人の感染に対する意識が変化し、感染者数の上昇に歯止めがかかる可能性はある」とみている。

 医療機関や保健所の負担が重いことから、国は第7波後に感染者の全数調査を取りやめることを検討している。流行状況の把握には、感染症の専門家有志が2日に開いた記者会見で、神奈川県医療危機対策統括官の阿南英明氏が「最近では下水を使った方法は海外でも使われ、選択肢の一つとしてある」と期待感を示した。【寺町六花】

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