特集

安倍晋三元首相銃撃

2022年7月8日、奈良市で街頭演説をしていた安倍晋三元首相が銃撃され、その後、死亡が確認されました。

特集一覧

安倍元首相銃撃 3人が後方警戒していたが…奈良県警警備の詳細判明

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
奈良県警=中津成美撮影 拡大
奈良県警=中津成美撮影

 安倍晋三元首相(67)が街頭演説中に後方から銃撃されて死亡した事件で、当時の奈良県警の警備体制の詳細が捜査関係者への取材で判明した。主に3人の警察官が安倍氏の後方を警戒していたが、人数が急増した安倍氏の聴衆を注視するなどしたため山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の動きに気づかなかったという。もともと奈良県警の警護計画では後方から銃撃されることへの危機感が薄く、警察官の数や配置に問題があったとみられる。警察庁は今月中に検証結果をまとめ再発防止策を作る方針。

 事件は7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅北口の交差点で発生した。安倍氏の右後方の歩道にいた山上容疑者は、演説開始後にバスロータリー沿いの歩道を移動。鉄柵の切れ目からロータリーに出て手製の銃を2度にわたって発砲したとされる。

 捜査関係者によると、現場で警備に当たっていた警察官は十数人。そのうち、安倍氏が演説していたガードレール内には警視庁から派遣されたSP(セキュリティーポリス)を含む4人の警察官がおり、うち1人が後方警戒を担当していた。

銃撃事件の現場 拡大
銃撃事件の現場

 また、山上容疑者が演説開始時に立っていた歩道のそばには統括役の警察官1人が配置されていたほか、別の警察官1人がロータリー内を動きながら警戒を続けていた。この2人は後方だけでなく、前方を含めた全体を警戒する役割だった。

 ガードレール内で後方を警戒していた警察官は、安倍氏の前方右側の聴衆が増えてきたため、突発事案に備えようと後方だけでなく聴衆側の動きも追うようになった。さらに事件直前、後方の道路を通過する自転車や台車にも気を配っていたこともあり、1度目の発砲まで山上容疑者を把握できなかった。

 統括役の警察官も事件直前、安倍氏の聴衆が増加しつつあったことを受け、後方よりも前方を重点的に警戒するようになり、山上容疑者の動きに気づかなかったという。ロータリーにいた警察官も同様だった。

 事件当時、安倍氏の前方には約300人の聴衆がいたが、後方にはほとんどいなかった。また、安倍氏の後方の車道には複数の車両が通過していたことなどから、奈良県警は不審者が近づきにくい環境にあると判断していたとみられる。また、配置されていたのはいずれも私服警官で、制服を着た警察官は一人もいなかった。

 自民党の茂木敏充幹事長が同じ場所で6月25日に街頭演説した際も同じ配置だったがトラブルはなく、こうした判断につながった可能性がある。警察関係者は「銃撃を想定した計画とは到底言えない」と指摘する。

 警備の問題点などを調査する警察庁の「検証・見直しチーム」が、警護計画の策定に携わった奈良県警幹部や、現場にいた警察官への聞き取りをするなどして詳しい経緯を調べている。【松本惇】

【安倍晋三元首相銃撃】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集