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国内外の異なる部署で取材する14人の中堅記者が交代で手がけるコラム。原則、毎日1本お届けします。

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ある静かな日本人学生

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トーマス・ジョンソンさん=本人提供
トーマス・ジョンソンさん=本人提供

 理想に燃える同僚たちに申し訳ないと感じるほど、これまで興味本位で記者を続けてきた私ですが、あと何本自分の記事を書けるのだろうと思うようにもなりました。せっかくの執筆の機会を大切に、一生懸命書きたいと思います。【政治部・高本耕太】

 今は米海軍大学院で国家安全保障を教えるトーマス・ジョンソン教授(70)は1978年当時、南カリフォルニア大で政治学の博士号を目指しながら学生を教える講師だった。

 担当する講義は「国際政治の新勢力」と名付けた。水・食糧の不足問題や、少数民族が国際関係に与える影響、後にインターネットへと発展するコンピューター通信網――。扱うのは新しいテーマばかりで教科書はなかった。ディスカッションが中心の講座は「当時としては先進的で、とてもリベラルなクラスだった」

 約25人の受講生の中に、ひとりの「静かで、おとなしい日本人学生」がいた。少し長めの髪にキリリとした眉毛。英語はたどたどしく、皆の前で発言するのは苦手だった。…

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