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台湾海峡緊張

中国と台湾の対立が先鋭化しています。日米をはじめ、ASEANや欧州も巻き込んだ対立の行方は。

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EEZにミサイル、日中関係が急冷却 対話探る政府、強まる逆風

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中国CCTVの映像に映る飛翔体発射の様子=2022年8月4日、CCTV提供・AP
中国CCTVの映像に映る飛翔体発射の様子=2022年8月4日、CCTV提供・AP

 ペロシ米下院議長の台湾訪問に対抗して、中国が軍事演習に踏み切ったことから、対米関係にとどまらず、対日関係にも影響を及ぼしている。4日の演習では弾道ミサイル5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下しており、日本政府も警戒を強めている。

会談中止、無人機飛行…日本も転換

 松野博一官房長官は5日の記者会見で「米中両国の関係の安定は国際社会にとって極めて重要だ。同盟国・米国との強固な信頼関係の下、中国に大国としての責任を果たすよう働きかけたい」と述べ、引き続き中国との対話を重視する方針を強調した。だが、4日に中国軍が軍事演習で、日本のEEZ内に5発のミサイルを落下させ、日中外相会談も中止となった。国内の反中感情が高まる中、政府は難しいかじ取りを強いられている。

 政府は9月29日の日中国交正常化50周年を控え、外相会談をはじめ中国との対話を深め、関係を安定化させる戦略を描いていた。ペロシ氏の訪台をきっかけに中国が態度を硬化させたことで状況は一変した。日本側は当初は軍事演習に抗議せず、中国が軍事演習の海域を発表した後の3日の時点では「懸念」の表明にとどめていた。だが、4日のEEZ内へのミサイル落下に加え、中国側が外相会談中止を日本側に通告。防衛省は同日、複数の偵察用・攻撃用の無人機が沖縄本島周辺を飛行していたことを確認した。こうした状況を受け、日本は演習の「即刻中止」を要求するなど、中国への融和姿勢を転換せざるを得なくなった。

 岸田文雄首相は5日にペロシ氏と会談し「日米の緊密な連携」をアピールした。岸信夫防衛相も会見で中国軍のミサイル発射について「我が国の安全保障および国民の安全に関わる重大な問題で強く非難する」と非難し、EEZ内への落下を「意図してあの地域に落下させたと思う」と語った。

 政府は一方で日中間の対立のさらなる激化を防ぐため中国との対話を重視する姿勢は変えていな…

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