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90歳を過ぎて、つづった体験記は約2000字に達した。16歳の時に広島で被爆した島根県津和野町の生田カツ子さん(93)は「口下手だけん、語り部なんてようせん」と、これまで家族にも体験を詳しくは話してこなかった。それでも、「生きた証しに」と、当時、目の当たりにした惨状を書き記した。
看護師の見習い中だった生田さんは1945年8月6日朝を、広島赤十字病院(広島市中区千田町)の看護婦養成所の寄宿舎で迎えた。「写真のフラッシュみたいにパッと明るくなり、空から写真を撮ったんじゃないかと思った」。爆心地から約1・5キロ。気がつくと、倒壊した建物の下敷きになっていた。真っ暗闇で何が起きたのかわからない。しばらくすると、「助けて」「お母さん」と叫ぶ声が聞こえた。必死にはい出ると一面、「死の街」と化していた。
生田さんは背中に大けがをし、顔はガラス片が刺さって血まみれになった。がれきの下から助けを求める声が聞こえたが、炎が迫ってどうすることもできなかった。友人が倒れた柱の直撃を受けて即死したと知っても、悲しむ余裕すらなかった。
病院には負傷者が押し寄せた。全身にやけどを負った負傷者は布団も…
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