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患者の全数把握、医療現場を圧迫 政府、簡素化で急場しのぎ

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発生届の簡素化など新型コロナウイルスの対応見直しについて説明する後藤茂之厚生労働相=東京都千代田区で2022年8月4日午後8時13分、小鍜冶孝志撮影
発生届の簡素化など新型コロナウイルスの対応見直しについて説明する後藤茂之厚生労働相=東京都千代田区で2022年8月4日午後8時13分、小鍜冶孝志撮影

 新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増える中で、患者を全数把握するというルールが医療機関や保健所の現場に重くのしかかっている。政府は第7波の収束後にも感染症法上の位置づけを見直す。最大の焦点となりそうなのが、現在は全額公費負担となっている治療費の扱いだ。通常の保険診療とし、患者に自己負担を求める可能性が出ている。

「第7派」収束後コロナ分類見直しへ

 「所員だけで対応できないギリギリの状況がずっと続いている」

 2日に過去最多の1335人の新規感染者が確認された東京都葛飾区。清古(せいこ)愛弓保健所長は現場の逼迫(ひっぱく)ぶりを訴える。

 患者の健康観察などに対応する葛飾区保健所の医療関係者は常勤の保健師6人と派遣の看護師15人。今年初めの「第6波」の途中から、医療機関が業務の多くを代行するようになったが、すべての患者情報に目を通して基礎疾患のある高リスク患者の健康観察や入院調整をする業務は保健所に委ねられている。発生届の処理も2割程度は行っているという。

 感染者数は各地で過去最多を更新し続け、保健所の業務量が増す根本的な流れは変わらない。「全国保健所長会」副会長も務める清古氏は「この感染者の規模では都会の保健所も地方の保健所も同じように厳しい状況に陥っているはず。全数把握をやめて保健所が今後どの程度関与していくかは検討が必要だが、少なくとも通常医療の範囲で(コロナを)取り扱えるようにしないと楽にはならない」と話す。

 感染症法は、全ての新型コロナ患者情報を「発生届」として保健所に伝えるよう医師に義務付けるが、感染者の爆発的増加でこの「全数把握」の仕組みが現場に重くのしかかる。

 同法では、特定の医療機関のみに報告を求める「定点把握」の感染症もあり、季節性インフルエンザが代表例だ。一方、全数把握は、早期の発見・隔離による封じ込めを狙った措置で、新型コロナでは医療機関や保健所が日々、政府の情報把握システム「HER―SYS(ハーシス)」に、陽性者の発生届の情報を入力している。

 項目は、氏名や生年月日、住所のほか、ワクチン接種回数や診断日など多岐にわたっていた。国はこうした情報を集約して感染動向をつかみ、感染対策を打つのに役立ててきた。

 第7波では軽症者が大半を占める…

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