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第104回全国高校野球選手権

第104回全国高等学校野球選手権大会(8月6日開幕)の特集サイトです。

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急に逝った友のグラブで「一緒に戦う」 愛工大名電 夏の甲子園

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愛工大名電の美濃十飛選手が譲り受けた瀬戸勝登さんのグラブ。瀬戸さんの名前と「自分に勝つ」の言葉が刺しゅうされている=愛知県岡崎市で、熊谷佐和子撮影
愛工大名電の美濃十飛選手が譲り受けた瀬戸勝登さんのグラブ。瀬戸さんの名前と「自分に勝つ」の言葉が刺しゅうされている=愛知県岡崎市で、熊谷佐和子撮影

 本当なら、友と聖地の土を踏むはずだった。第104回全国高校野球選手権大会の第2日第2試合に登場する愛工大名電(愛知)。チームのムードメーカーだった瀬戸勝登(しょうと)さん(3年)が愛知大会開幕直前に急死した。瀬戸さんと同じ外野手で、一緒に寮生活を送っていた親友の美濃十飛(しゅうと)選手(3年)は瀬戸さんのグラブで愛知大会に臨み、甲子園への切符を手にした。「最後まで一緒に戦いたい」

 瀬戸さんは逆方向へのバッティングが得意で、今春の東海大会には背番号20でベンチ入り。「チームを楽しませ、笑わせてくれる」とみんなに愛された。だが夏の甲子園出場を懸ける愛知大会開幕1カ月前の6月1日、野球部の寮から実家に一時帰っている時に急性心不全で亡くなった。突然の出来事だった。メンバー全員で瀬戸さんの実家を訪れた。みんなが泣きはらす中、美濃選手はよく気が合った親友の死を現実と受け止められず、まったく涙が出なかった。

 瀬戸さんの父洋介さん(48)は「この夏どう戦うか、勝登と約束してほしい」と、チームメートたちに瀬戸さんが着ていたユニホームへの寄せ書きを求めた。美濃選手は…

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