特集

今週の本棚

「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

特集一覧

今週の本棚

川本三郎・評 『無垢の歌 大江健三郎と子供たちの物語』=野崎歓・著

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
『無垢の歌 大江健三郎と子供たちの物語』
『無垢の歌 大江健三郎と子供たちの物語』

 (生きのびるブックス・2200円)

不安、孤独、無力感が引き寄せるもの

 無理のない素直な、そして深い言葉で語られた素晴らしい大江健三郎論。何よりも大江作品に魅了されている熱が伝わってくる。

 大江作品の大きな特色は、いい意味の子供っぽさにあるが、著者はさまざまな角度から大江における「子供」に着目してゆく。

 例えば、少年院の子供たちが山の中の村に集団疎開させられる物語『芽むしり仔撃ち』の「僕の弟」。逆境のなかでも好奇心旺盛で何を見ても感心し、周囲を「驚嘆の目」で見つめている。

この記事は有料記事です。

残り1085文字(全文1323文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集