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広島・長崎原爆

1945年8月、広島・長崎へ原爆が投下されました。体験者が高齢化するなか、継承が課題になっています。

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「核使用の結末を直視して」保有国に呼びかけ 広島原爆の日

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原爆慰霊碑に献花する人たち=広島市中区で2022年8月6日午前8時12分、山田尚弘撮影
原爆慰霊碑に献花する人たち=広島市中区で2022年8月6日午前8時12分、山田尚弘撮影

 米国の原爆投下から77回目の「原爆の日」を迎えた6日、広島市の平和記念公園(広島市中区)で平和記念式典が開かれた。広島市の松井一実市長は平和宣言で、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに核抑止論が勢いを増していることに懸念を表明。核保有国のリーダーに対して、「被爆地を訪れ、核兵器を使用した際の結末を直視すべきだ」と呼びかけた。被爆地選出の首相として初めて参列した岸田文雄首相は、非核三原則を堅持する考えを示したが、核兵器の開発・製造・保有を禁じる核兵器禁止条約には触れなかった。

 松井市長は宣言で、核保有国に対し、「国民の生命と財産を守るには、核兵器をなくすこと以外、根本的な解決策は見いだせない」と核廃絶への行動を促した。日本政府に対しては、核禁条約に一刻も早く参加するよう求めた。

岸田首相は禁止条約には触れず

原爆慰霊碑を訪れた家族連れ=広島市中区で2022年8月6日午前5時12分、山田尚弘撮影
原爆慰霊碑を訪れた家族連れ=広島市中区で2022年8月6日午前5時12分、山田尚弘撮影

 岸田首相は式典のあいさつで、「厳しい安全保障環境という『現実』を核兵器のない世界という『理想』に結びつける努力を行う」と表明した。また、2023年5月に広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)を通じて核兵器の惨禍を二度と起こさないとの誓いを世界に示すとした。

 初参列したグテレス国連事務総長はあいさつに臨み、「深刻な核の脅威が中東から、朝鮮半島へ、そしてロシアによるウクライナ侵攻へと世界各地で急速に広がっている」と懸念を強調。「人類は実弾が込められた銃で遊んでいる」とし、核保有国による核戦争は断じて許容できないと述べた。

 99カ国と、欧州連合(EU)の代表らが参列。原爆が投下された午前8時15分に合わせて1分間の黙とうをささげた。国連事務総長の参列は10年の潘基文(バンキムン)氏以来2回目。市は外務省と協議し、ロシアと、同盟国のベラルーシは招待しなかった。

 松井市長と遺族代表は、この1年間で死亡が確認された4978人の名前を記した原爆死没者名簿を原爆慰霊碑下の奉安箱に納めた。名簿123冊の記載人数は計33万3907人となった。被爆者健康手帳を持つ人は3月末で11万8935人。平均年齢は84・53歳で、初めて84歳を超えた。【矢追健介】

【広島・長崎原爆】

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