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お中元代わりのうれしい一冊が、ドナルド・E・ウェストレイクの『ギャンブラーが多すぎる』(木村二郎訳、新潮文庫)だ。今は亡き巨匠の未訳作品が、手に入れやすい文庫版で出たのであるからありがたい。
ギャンブル好きのタクシー運転手チェット。客の裏情報を信じて買った馬券が大当たり。さっそくノミ屋のトミーの元を訪れたが、彼は部屋の中で撃ち殺されていた。チェットは多額の配当金を受け取れないばかりか、対立する二つのギャング団から命を狙われるはめに陥ってしまう。はじめは彼を犯人扱いしたトミーの妹のアビーとともに、自分の命を守るためチェットは犯人捜しに乗り出すことに。
ウェストレイクは複数のペンネームを使い、シリアスな作品からコメディータッチのものまで、硬軟とり混ぜたハードボイルド小説や犯罪小説で一世を風靡(ふうび)した超一流の職人作家だ。
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