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安倍晋三元首相銃撃

2022年7月8日、演説中の安倍元首相が銃撃され、死亡しました。その後の「国葬」にも疑念が…。

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政治家との関係白日の下に 鈴木エイト氏が旧統一教会を追う理由

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旧統一教会を巡る問題について話すジャーナリスト・鈴木エイトさん=東京都千代田区で2022年8月2日、三浦研吾撮影
旧統一教会を巡る問題について話すジャーナリスト・鈴木エイトさん=東京都千代田区で2022年8月2日、三浦研吾撮影

 安倍晋三元首相(67)への銃撃事件が発生して以降、連日のようにメディアに登場し、政治家と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を白日の下にさらし続けるジャーナリストの鈴木エイトさん。大学卒業後は一介のバンドマンだったという鈴木さんが、なぜ旧統一教会を追及するようになったのか。長年集めてきた膨大な資料をひもといてもらった。

一人で始めた「偽装勧誘」阻止活動

 旧統一教会に関心を持ったのは約20年前、自宅でたまたま見たテレビ番組がきっかけだった。番組では、手相や姓名判断、意識調査アンケートの名目で街行く人に声をかけ、最終的に宗教団体に勧誘する「偽装勧誘」の手口を紹介していた。

 翌日、東京・渋谷を歩いていると、番組と同じ手法で勧誘をしている団体を見つけ、思わず「これ宗教の勧誘だよ」と割って入った。旧統一教会の勧誘現場だった。鈴木さんは「フェアに宗教の勧誘だと明らかにし、教団名を名乗ってやるべきだと思ったんです。正義感ではないですね。うそをついて勧誘しているのを論破するのが楽しかったんです」と振り返る。

 一人で偽装勧誘を阻止する活動を続けるうち、気づいたことがあった。「信者は必ずしも悪意で人をだましているのではなく、善意で勧誘していたんです。その信者のメンタリティー(心的傾向)や、被害者が次の被害者を生む構造に興味がわき、カルト問題に取り組むことにしました」

 やがて全国霊感商法対策弁護士連絡会の会合にも出席するようになり、研究者や弁護士らでつくる「日本脱カルト協会」にも参加。2009年からは本格的に取材活動を始め、宗教問題などを取り扱うニュースサイト「やや日刊カルト新聞」などで記事を執筆してきた。

旧統一教会との暗闘

 取材は一筋縄ではいかなかった。旧統一教会の問題点や政治家との関わりを指摘する鈴木さんが、集会やイベントの取材を申し込んでも基本的に許可は出ない。安倍元首相銃撃事件発生後の記者会見でも、旧統一教会は参加メディアを制限し、鈴木さんらは会場に入れなかった。

 鈴木さんは取材拒否にもめげず、時には帽子や眼鏡で変装して潜入を試み、時には内部文書を入手して旧統一教会の実態に迫ってきた。「変装が見つかって、知り合いの信者からゲラゲラ笑われたこともありますよ」と、思い出し笑いをする。

 11年には、「要注意人物!」「無断で教会関連施設に押し入り、写真撮影等を行う」などと書かれたチラシを顔写真入りで作られたこともあった。鈴木さんいわく「指名手配」だ。取材を控えたのかと思いきや、鈴木さんが考えたことはまるで違った…

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【安倍晋三元首相銃撃】

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