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米粉ブームが来ている。小麦価格の高騰を受け、小麦粉の代わりに使う食品メーカーやパン屋が急増している。米粉ブームは約10年前にも起きたが、すぐ消えてしまった。しかし、今回の盛り上がりは少し違う。食や農業に詳しい日本総合研究所創発戦略センターのエクスパート、三輪泰史さんは「食料安全保障上、一つのチャンスかもしれない」と話す。【聞き手・宇田川恵/オピニオングループ】
「使うメリットない」から変わった
――米粉の活用が広がっています。
◆小麦の大半は政府が輸入して民間に卸しているが、その売り渡し価格は上昇している。ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で国際相場が高騰しているうえ、急激に円安が進んでおり、秋にはさらに上がる可能性が高い。そんな中、外食産業などは危機感を強めている。お客さんが払ってくれる料金には限界があり、これ以上の値上げは難しいからだ。そこで注目されてきたのが米粉だ。米粉はほぼ100%国産なので、価格も量も安定している。
――約10年前にも小麦高から米粉が注目されましたが、ブームはすぐ去っています。
◆通常の米を製粉してパンを焼いても、粘り気が強かったり、粒子が粗かったりして、きれいに膨らまないことがある。こうした問題があったので、以前は米粉をうまく使いこなせなかった。そのため、小麦粉の値段が下がったら「わざわざ米粉を使うメリットはない」として、小麦粉に戻すケースが多かった。
だが、前のブーム以降、米粉用の米の品種開発が進んだ。九州産の「ミズホチカラ」などパン作りに適した米や、菓子に適した米など、専用品種が次々と生まれている。小麦粉に薄力粉や強力粉があるように、米粉にも目的ごとに使い分けられる種類が増えて、使い勝手がよくなってきた。
また、米の粒子を細かく製粉する技術や、パンや菓子などに加工する技術も向上した。今回は、米粉の良さが知られてきたタイミングで「小麦ショック」が起きたため、米粉に一気に焦点があたったといえる。
「グルテンフリー」で世界も注目
――今回は一過性のブームで終わらないと?
◆米粉は…
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