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米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手(28)が9日(日本時間10日)、敵地オークランドでのアスレチックス戦に先発して勝利投手となり、1918年のベーブ・ルース以来となる「2桁勝利・2桁本塁打」の快挙を果たした。
これまで大谷選手を取材する機会に度々、恵まれた中で印象的だったことがある。それは取材者に対する真っすぐな視線だ。質問をしている相手に体ごと向き合い、じっと目を見つめる。思わず先に視線を外してしまうことも一度や二度ではなかった。ただ、大谷選手の澄み切った瞳は誠実さや実直さを表す姿として、脳裏に深く刻まれている。
誰もが難しいと考えた投打の二刀流への挑戦も、ブレることなく、一直線だった。高校、大学からプロへとステージが上がるにつれて、投手か野手どちらかに絞ることが「当たり前」だった野球界。大谷選手は新人選手選択(ドラフト)会議で、岩手・花巻東高から日本ハムに1位指名され「二刀流のパイオニアとして育成したい」と声をかけられた。
あまり前例のない育成方針には日本でも疑問の声もあった。本人も球団も試行錯誤を重ねながら、投打の両面で実績を積み重ね、「(二刀流は)もう、自分だけのものではない」と先駆者としての使命感を強めた。野球人生を支えてくれた人たちへの恩返しのため、二刀流を進化させ続けることは大谷の運命でもあった。
2018年、米大リーグに移籍1年目から4勝、22本塁打と片りんを見せると、その後は右肘手術などで苦しい時期もありながら、21年は9勝、46本塁打をマーク。歴史的な活躍で大リーグでも二刀流が実現可能なことを体現し、満票でア・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれた。それでも…
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