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第104回全国高校野球選手権

第104回全国高等学校野球選手権大会(8月6日開幕)の特集サイトです。

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夏の甲子園、例年よりも目立つエラー 監督らが指摘する理由とは

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【県岐阜商-社】一回裏社1死一塁、福谷の時、一塁走者・後藤が二盗成功(野手・河合)。捕手の送球がそれる間に三塁に到達=阪神甲子園球場で2022年8月9日、中川祐一撮影
【県岐阜商-社】一回裏社1死一塁、福谷の時、一塁走者・後藤が二盗成功(野手・河合)。捕手の送球がそれる間に三塁に到達=阪神甲子園球場で2022年8月9日、中川祐一撮影

 第104回全国高校野球選手権大会は10日、1回戦17試合を終えた。野球にミスはつきものだが、今夏の甲子園は例年よりも守備が乱れる場面が多いと感じた。

 一見、難しそうではないゴロをはじいたり、送球が乱れたり……。直接失点につながらなくても、守備のリズムが乱れたことで、試合の流れを相手に渡してしまうシーンも目立った。

 失策数の多さは数字にも表れている。1回戦の失策数は計52個(1試合平均3・06個)で、無失策試合は天理(奈良)―山梨学院、日大三(西東京)―聖光学院(福島)の2試合のみだった。

 記念大会で試合数も多かった第100回大会(2018年)を除いた最近の大会と比較すると、第99回大会(17年)は45個(同2・65個)、第101回大会(19年)は41個(同2・41個)で、新型コロナウイルスの感染拡大後に初めて開催された第103回大会(21年)は43個(同2・53個)。今大会より7~11個少ない。新型コロナの集団感染の影響で登録選手10人を入れ替えた上、練習時間も制限されるなど厳しい環境で臨んだ県岐阜商(4失策)のケースを考慮しても、失策が多い感は否めない。

 本来は堅実な守備の盈進(えいしん)=広島=は鶴岡東(山形)との1回戦で序盤からミスが相次ぎ、5失策。佐藤康彦監督は「あまり見たことのないミスが出た。これも甲子園かな」と振り返った。

 高岡商(富山)は5失策にバッテリーミスも重なり、吉田真監督は「指導している私の責任や相手の重圧がある。キャッチボールを含めて、アウトをしっかり取るための基本が、後輩たちの課題になる」と話した。

 なぜ今大会は失策が多いのか。市船橋(千葉)との1回戦で3失策した興南(沖縄)の我喜屋優監督は「コロナによる(練習や試合の)時間制限は非常に大きい。実戦経験が足りなかった」と嘆く。興南は感染者が出たため今年の春季県大会を辞退。九州大会も出られず、公式戦の経験が不足していた。

 長年、NHKで高校野球中継の解説を務めた、社会人野球・日本新薬で監督経験がある前田正治さんは「今の2、3年生はコロナがピークの時期に過ごしているため、練習量が少ないことは否めない。試合数も圧倒的に少なく、試合の中で打者が実際に打った球を受ける量が少ない。打球の速さやバウンドへの対応力が不足していることが原因ではないか」と分析する。

 今大会は感染拡大後では初めて入場制限をせず、連日1万人を超える観客が訪れている。コロナ下で大勢の観衆が見守る中でのプレー経験が少ない選手にとって、甲子園独特の雰囲気にのまれずに普段通りの力を発揮することは、技術、精神の両面において簡単ではないだろう。

 それでも、ひたむきに野球に打ち込んできた選手にとって、甲子園は大きく成長できる舞台でもある。ブラスバンドなどの応援も力に変え、思い切ったプレーを期待したい。【円谷美晶】…

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