「無駄なもの」に価値見いだす 美術家・岡田裕子さん、ヒントは妖怪

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招き猫や電話、ほうきの張り子などで構成された岡田裕子さんのインスタレーション「イマココニイマス」=鳥取県米子市で2022年8月6日、清水有香撮影
招き猫や電話、ほうきの張り子などで構成された岡田裕子さんのインスタレーション「イマココニイマス」=鳥取県米子市で2022年8月6日、清水有香撮影

 居場所をなくしたモノたちの“霊”が展示室で戯れる――。米子市美術館(鳥取)で開かれている美術家、岡田裕子(ひろこ)さんの個展にはそんな趣がある。主役は捨てられた家財や不要とされた置物。作家はその姿を白い紙や白いオブジェに写し取り、「作品」として新たな息吹を注いだ。合理性が求められるこの世界で「無駄だとされるものに価値を見いだすことは大事な気がする」と岡田さん。展覧会をこう名付けた。「いま、ここにいます」

 東京を拠点にする岡田さんは2021年夏、米子で滞在制作を始めた。地元の図書館を訪れ、県出身の漫画家、水木しげるさんの自伝的作品を読み、当時の生活に当たり前のように存在していた妖怪に創作のヒントを得た。「妖怪も、精霊も、幽霊も私は見たことがない。もしかしたら、現代はそれらの居場所がなくなってしまったのかもしれない」。今やすっかり忘れ去られ、「息を潜めて存在しているモノたち」に目を向けたのが今展だ。…

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